デジタル教科書、2020年以降導入を目指す:文科省有識者会議

 文部科学省は6月2日の有識者会議で、児童・生徒がタブレット端末を使用して動画や音声などで教科書の内容を学ぶ「デジタル教科書」について、2020年度をめどに全国の小中学校・高校に導入する「中間まとめ」をおこなった。

 当面は現行の紙の教科書と併用して使用することを想定している。

 繰り返し音声を聞くことができることで英語の発音やリスニングの学習に資する、数学の図形移動などを視覚化できる、理科や社会科では動画やCGなどによって抽象的な概念を視覚化することができるなどのメリットが指摘されている。

 一方で、児童生徒がタブレット端末を購入する際の初期費用、故障や不具合の可能性、コンテンツのライセンスによっては一定期間経過後に削除・消去されて数年単位での学習に支障が出ることなど、問題点が指摘されている。

 現行では教科書は無償となっている。しかしデジタル教科書導入の際には、財政的に必ずしも無償にできるとは限らないという見通しが出されている。教育の機会均等の原則を脅かしかねないような状況が出ることを危惧する。

 また、視覚的に容易に理解できることで、逆に抽象的な概念をじっくりと考える思考力や、書く力などの向上には必ずしもつながらないのではないかという指摘もされている。長時間使用することでの依存や健康面への影響、教師が必ずしも指導法に習熟しているとはいえないことなど、解決すべき課題は多い。

 導入先にありきではなく、指摘された問題点を一つ一つ解決していくことが必要ではないか。

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