教職員に「公選法順守を」:文科省が通知

 文部科学省は6月1日付で、私立学校の教員らに対し、公職選挙法などを順守するよう求める通知を出した。通知は、私学を所管する各都道府県知事あてとなっている。私立学校の教員への同種の通知を出すのは初めてとなる。

 教育基本法では特定の政党を支持する政治教育や政治活動を禁じているなどとして、法令遵守を求めた。国立大学附属校の教員向けにも同様の通知を出した。

 また公立学校向けの通知も出し、高校生への政治教育で「政治的中立性の確保」を求める文言も新たに入れた。地位を利用して特定の政治的立場で児童生徒に接することは、地方公務員法が禁じる「信用失墜行為」になるなどと指摘した。

 通知は一見すると差し障りがないようにも見える。しかし考えてみれば、地位を利用した選挙活動や政治活動はしないことなど、法令遵守は当然のことである。また「政治的中立」の内容は抽象的・不明確となっていて、恣意的に言いがかりをつけられる可能性も考えられる。

 実際に、安保法制について高校の政治・経済の授業や文化祭での発表で取り上げたところ、「政治的中立から逸脱している」と難癖をつけられた事例が複数発生している。山口県議会では自民党議員の議会質問で難癖をつける形になった。

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 また自民党は、「政治活動禁止」に違反する教員に罰則を課す方向での法改訂も構想しているという。

 通知によって、「政治的」と難癖をつけられる可能性がある話題に触れないことが「政治的中立」かのような雰囲気が進み、また職務から離れた一人の国民としての活動にも悪影響を及ぼしかねないということも危惧する。

(参考)
◎私立教員へ「公選法の順守を」 文科省が初の通知(朝日新聞 2016/6/2)

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