立憲主義:中学校教科書での記述

 安倍内閣が2015年に安保法制をすすめたことに関連して「立憲主義」のキーワードが注目された。安保法の内容や是非についてはともかく、2016年度から使用されている中学校の社会科教科書では「立憲主義」をどのように解説しているか。

 日本文教出版では「憲法に基づいて政府をつくり、政治をおこなうことにより、権力の濫用を防ごうという考え方を立憲主義といいます」、東京書籍では「政治権力から人権を守り、保障していくために、憲法によって政治権力を制限する考え方が生まれました。これを立憲主義といいます」と記述している。

 一方で育鵬社版では、「憲法にのっとって国を運営していくことを立憲主義といいます」という記述にとどまっている。

 育鵬社と他社教科書では、解説に大きな違いがある。育鵬社教科書では、「政治権力を憲法で縛る・政治権力の濫用を防止する」という基本的かつ重要な解説が抜け落ちている。

 育鵬社の教科書では、立憲主義の概念を正確に理解できないことになる。