大規模「総合こども館」計画、住民投票実施しない意向表明:大阪府阪南市

 大阪府阪南市で7ヶ所の市立幼稚園・保育所を全市1ヶ所に統合・集約して大規模な認定こども園・「総合こども館」(仮称)に改編する計画をめぐり、福山敏博市長は5月19日、住民投票を求める署名が提出されたことを受けて、住民投票はしないとする談話を発表した。

 「阪南市の住民投票条例は理念条例であり、具体的な実施手続きを定めたものではない。阪南市には実施手続きを定めた条例はない」「市議会で15人中12人の圧倒的賛成を得た」などを理由にしている。

 阪南市の「総合こども館」計画は、市内の閉店となった旧家電量販店の建物を改修し、収容人数630人規模の幼保連携型認定こども園を設置する計画となっている。市は現行の幼稚園・保育所の建物が老朽化していることで、耐震性の問題が浮上していることを統廃合理由にあげている。

 一方で、全国的にもほとんど前例がないような大規模施設で、保護者や地域住民からは「一人ひとりの子どもに目が届きにくくなり、迷子・園児飛び出しや不審者侵入などの事故が起きるリスクが高まったり、また感染症などの事態が発生した場合は通常以上に重大な状況に陥るのではないか」「地震や火災など災害時には避難誘導が困難になるのではないか」「国道沿いで子どもの環境には悪いのではないか」「保護者の送迎が集中することでの混雑や周辺道路の交通渋滞が予想される」「送迎時間が長時間になることで、子どもの体力や保護者との仕事の兼ね合いできつくなる」どといった不安の声が強く出されている。

 阪南市は感染症・送迎時の混雑・災害時の避難誘導などへの対策については一定の見解を出しているものの、住民の不安が十分ぬぐい去られているとはいえない。計画の見直しを求める署名が多数集まっている。署名は市の人口の2割に相当する数が集まっているという。

 市民から重大な懸念が示されているにもかかわらず、そのまま強行するのは将来に禍根を残し、子どもの問題だけでなくまちづくり全体に悪影響を与えることにもなる。少なくとも、もっとていねいな対応が必要な案件ではないのだろうか。

(参考)
◎大規模こども園計画、阪南市長「住民投票しない」 大阪(朝日新聞 2016/5/21)

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