林田真二の児童いじめ事件:いまだに被害者への中傷ひろがる

 福岡市立小学校教諭・林田真二が担任クラスの児童に悪質ないじめや暴力を繰り返して心因性の症状を発症させた事件が2003年にありました。

 この事件では林田本人が雑誌で「被害者が事件をでっちあげた」かのような手記を公表したり、福田ますみなるライター名義で同趣旨の中傷本が出されるという前代未聞の攻撃がおこなわれました。しかし2008年11月、福岡高裁で林田のいじめ・暴力が認定されて賠償が確定しています。すなわち、林田の主張や福田の著書こそが捏造でありでっち上げだと事実上裁判でも認定されていることになります。

 この事件に関する福田の著書は一時期「モンスターペアレント」問題を論じるには必携かのように扱われ、また書店の目立つ場所に平積みにされるなどしていました。

 判決確定後はさすがに平積みにされているという状況はなくなり、この書籍は大型店の店頭に在庫が一冊あるかどうかという状況にこそなっています。しかしいまだに絶版にはなっていないようです。

 福田ますみや発行元の新潮社は、中傷本の公式サイトでは2009年2月時点ではだんまりを決め込んでいるようです。しかし一時期と比較すると落ち着いたといえども、いまだに福田の中傷本を鵜呑みにし、被害者を中傷する輩も絶えないようです。

 明らかに福岡高裁判決確定後に書かれていて、高裁判決の内容に触れながらも、中傷本を盲信して判決の結果をゆがめて攻撃している文章も見つけてしまいました。「amazon.co.jpの書評(2009/1/31)」「JANJANニュース・とんでもない虚偽報道が行われていた――福岡の「教師によるいじめ」事件をでっちあげたメディアの体質(2009/2/1)」

 そもそも「福岡市が被害者に同調し、被害者と一緒になっていじめや暴力をでっちあげた」という林田の主張や福田の書籍での前提自体が、決してありえない稚拙な作り話です。教育委員会は加害者教師を擁護するのが常ですし、ましてや福岡市は教師の暴力や児童・生徒いじめなどを全力で擁護する体質が他地域以上に突出しています。

 林田真二の事件の判決確定後の2008年12月・2009年1月のたった2ヶ月間でも、福岡市の暴力擁護体質を端的に示す事件が2件発生しています。2008年12月には福岡市教育委員会の教育次長が福岡市議会で「体罰」正当化発言をおこないました。また2009年1月に発生した内浜中学校生徒自殺事件で自殺の背景に教師の暴行があったと指摘されると、福岡市教委は教師の暴行を「正当な指導」と位置づけた見解を出しました。

 林田の事件での福岡市の態度は「もみ消せなかったほど悪質だったので、仕方なく一部認めただけ」に過ぎません。実際に福岡市は、事件の事実関係を実際より極めて小さく描き、また処分も軽い上に「新たな事実関係が判明すれば追加処分も検討する」としながら悪質な被害者攻撃には追加処分もしていません。実際には福岡市は林田を擁護しているとみなしても差し支えありません。

 また事件の本質は「林田真二が悪質ないじめや暴力行為を加えた」ということです。林田の悪質ないじめや暴力行為は一審・二審ともに認められていますし、また二審では林田のいじめ行為によって心因性の症状を発症して通院治療を余儀なくされたという事実も認めています。裁判の結果は林田の全面敗訴といっても差し支えありません。一審で林田個人への損害賠償請求が棄却されたことは単に国家賠償法の規定上の話であり、被害者の訴えが「でっちあげ」だったとは一切認定されていません。逆に林田のいじめ・暴力行為は認定され、被害者の訴えは基本的に事実と判断されています。

 林田や福田は、原告側が控訴審で林田個人への訴訟を取り下げたことを「不利になったから取り下げた」かのようにゆがめています。しかし実際は、福田の中傷本出版による異常な攻撃・嫌がらせのために、裁判の正常な維持が不可能になったためだということです。また林田個人への賠償責任を認めないとした根拠である国家賠償法の規定について問うのは本筋ではなく、元来の目的は林田のいじめ行為を明らかにすることであるために、総合的な判断を下したということです。

 林田は「裁判で自分の主張をさせない被害者側の戦略」などと中傷しているようですが、実際は林田は福岡市側に補助参加して自分の主張をさんざん言いたい放題言った上で、裁判では林田の主張は嘘・デタラメとして全面的に退けられているのです。林田や福田は、自分たちの裁判戦略・中傷戦略が成功したつもりになっているようですが、実際にはその戦略で自滅する形になっています。

 これらの事実関係が明らかになり、また裁判でも確定しているにもかかわらず、裁判の結果を意図的にねじ曲げていまだに中傷本のデタラメな筋書に沿った中傷をおこなう輩がいまだに現れていることには、関係者の心痛を察するにあまりあります。一度世に出てしまった中傷はいまだに訂正されていないこと、それどころか新たな中傷まで湧いて出ることには恐ろしさを感じます。

 また中傷本は「マスコミの虚偽報道とそれによる林田へのメディア被害」が攻撃の軸の一つとなっていましたが、デタラメな内容の書籍を出版して被害を与えることこそがメディア被害にほかなりません。