北海道、無資格保育士登用「緩和」条例案検討

 認可保育所の保育士配置基準を緩和するため、北海道などが配置基準を定めた条例改正の検討を始めたと報じられている。

 国の基準では、認可保育所に保育士を最低2人配置するなどとしている。一方で政府は4月から保育所の規制緩和をおこない、一定の条件のもとでは保育士資格者1人でも保育が可能という特例を新設した。

 都道府県や政令指定都市・中核市では、国の基準を受けて条例で保育士の具体的な配置基準を定めている。特例の適用については各自治体での条例改正が必要となる。

 これを受けて北海道では、国の基準に合わせて保育士配置を緩和し、その分を待機児童解消の要員に振り分けるとして、2人中1人は「保育士と同等の知識及び経験を有すると認める者」に置き換えることを可能とする条例改正案が検討されている。旭川市でも条例での基準の引き下げを検討している。

 一方で札幌市では、無資格者の登用については慎重な見解をとっている。

 似たような例では、大阪府・大阪市が「特区」と称して無資格者の登用を拡大しようとしている例があるが、北海道などの対応はそれと同等の暴挙であるといっていい。

 保育士は子どもの保育に関する専門職であり、保育や子どもに関する周辺分野の知識や理論が必要である。保育士の専門性を軽視して「誰でも預かれる」とばかりに扱うことは、保育の質の低下が危惧される。保育士不足の一因として、待遇の悪さによって資格をとっても別の職種に就職したり、一度就職しても転職・退職を決断してそのまま戻ってこないなどの問題が指摘されているのに、無資格者の登用によってさらに待遇が悪化し、保育士不足が進行するおそれがある。

 待機児童の解消・保育条件の向上・保育士の待遇改善は、別個のものではない。保育問題については、これらのことを一体として扱い、全てについて改善を図っていく視点が必要ではないか。

(参考)
◎保育士配置基準緩和 道と旭川市が条例改正案提出へ 札幌市は「慎重に検討」 /北海道(毎日新聞 2015/5/13)