教科書展示会アンケート集計結果公表せず:横浜市教委

 横浜市の2015年度中学校教科書採択に関して、横浜市教委が教科書展示会で入場者からのアンケートを実施しながら、結果を公表せず教育委員にも報告していなかったことが5月12日までにわかった。

 市民団体「横浜教科書採択連絡会」が情報公開請求をおこなったことで判明した。

 教科書展示会でのアンケートは2015年6月1日から7月3日にかけ、横浜市内の各市立図書館などに設置された会場で集められた。アンケートは1086通が集まり、「横浜教科書採択連絡会」は情報公開請求によって1009通を入手した。

 同会がアンケート内容を分析したところ、極右的な記述で問題になっている育鵬社や自由社の社会科教科書への反対意見が643通(約63.7%)を占めていた。賛成は239通(約23.7%)にとどまっていた。

 横浜市では早い時期から極右教科書採択策動が狙われ、2009年には当時18行政区ごとに採択区域を設定していたうち一部の区で自由社の歴史教科書が採択された。さらに2011年には教科書採択区域が全市1区に統合された。採択区域統合は極右教科書採択策動をやりやすくするための工作の一環とみられて警戒されていたが、採択区域統合後初となった2011年教科書採択では育鵬社の歴史・公民教科書が採択された。

 2015年にも引き続き育鵬社の歴史・公民が採択されたことになる。しかも、育鵬社採択ゴリ押しにとって都合が悪いと思われるアンケート内容を意図的に隠していることにもなる。

 育鵬社教科書採択をめぐっては、大阪市・大阪府東大阪市・広島県呉市などでも育鵬社支持勢力による不適切行為が指摘されているが、横浜市でもかということになる。育鵬社の教科書を採択した自治体では、育鵬社やその支持勢力にとって都合が悪い意見や事実を隠したりねじ曲げたりして、政治的な動きとして強引な方法で採択がゴリ押しされるケースが目立っている。

 育鵬社は教科書の中身も極めて問題であるが、それ以前の問題として、生徒や教育現場のことよりも政治的な意向を無理に押し付けている。このような採択は正当とはいえないだろう。

(参考)
◎教科書展示会 横浜市教委、入場者調査を公表せず(東京新聞 2016/5/13)

スポンサードリンク