教組が校門近くで安保法反対活動:学校側が問題視

 北海道苫小牧西高校(苫小牧市)で2016年4月、校門前でおこなわれていた安全保障関連法に反対する署名活動やビラ配布に対して、学校側が問題視し、校長が署名した生徒の氏名を聞き出していたことがわかった。

 北海道高等学校教職員組合連合会(高教組)に所属する同校教諭2人は2016年4月26日に年休をとったうえで、同日朝には学校の敷地外で登校中の生徒らにビラ約200枚を配布したという。さらに同日午後3時過ぎから、教諭らは学校敷地外で署名活動をおこない、署名に応じた生徒もいた。

 一連の活動を知った校長は、「年休を取得したうえで学校の敷地外で実施していることは、法には触れない」「組合活動の一環という意味では一定の理解を示す」としながらも、校門近くで自校の教員が実施していることで「政治色の強い行為。誤解を招くおそれがある」として中止を指示した。

 校長が教諭らに事情を聴いた際、教諭らに対して、署名の有無や生徒の氏名を聞いたという。教諭は「外部に出さない」という条件で署名した生徒の氏名を伝え、その場では中止要求に応じたという。

 学校側は翌4月27日までに、ホームルームで学級担任を通じて、配布済みのビラ約70枚を回収した。さらに4月28日には、校長が校内放送で経緯を説明し、また保護者向け文書を配布して経過を伝えた。

 北海道教委は「政治的中立性への留意を求める国の通知に抵触する恐れがある」「生徒にとって自分の学校の教員が行うことは、敷地外、職務時間外だからといったことは関係ない」として、学校側の対応は妥当という認識を示し、場合によっては当該教諭への処分も含めた対応も検討しているという。

 教職員組合は「憲法が保障する政治活動の一環。署名は生徒に趣旨を説明した上で呼びかけており、一方的な主張を強いてはいない」として、学校側の対応を疑問視している。学校側の中止要求に応じたことについては「不本意ではあるが、組合活動によって立場上、困る人が出てしまうのも本意ではないので受け入れた」と話している。

 校門近くで勤務校の生徒を対象におこなったことが誤解を招きかねないという見方については、一律には否定できないし、その意味では具体的な活動方法に再検討の余地はあるといえる。その一方で教職員であることのみを理由として、職務から離れた場所での政治活動に制限が加えられるようなことはあってはならない。基本的には職務とは離れた場所では、一人の個人としての活動は尊重されるべきではないか。

(参考)
◎高教組の苫西高教員が校門前で生徒に安保法反対署名求める(苫小牧民報 2016/5/7)
◎苫西高、校門前で教諭が安保法反対署名 校長、応じた生徒名聞く(北海道新聞 2016/5/10)
◎苫小牧西高 生徒に反安保署名 教員、校門前で集める /北海道(毎日新聞 2016/5/10)

スポンサードリンク