帝国書院教科書記述問題:文科省側は具体的に踏み込まず

 文部科学省の堂故茂政務官は4月26日、帝国書院発行の高校現代社会の教科書に「沖縄県経済が米軍基地に依存しているかのような不正確な記述がある」として、沖縄県の住民らが教科書の記述の訂正を要望している問題について、「検定意見を付して修正を求めるには至らなかった」とする見解を示した。

 衆議院沖縄北方特別委員会での民進党・小川淳也議員への答弁。

 堂故政務官は答弁の中で、教科書の記述については「欠陥のない範囲で発行者の判断に委ねられている」とし、基地問題の記述についても検定審議会でしっかりと審議して合格したとする見解を示した。

 この問題では、当初の版では「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」などと記載されていた。実際は、沖縄県経済の米軍基地依存度は年々下がり続け、近年では5%以下となっているという。

 帝国書院は「自社の中でも訂正を検討する意見があがった」として訂正申請をおこなったが、訂正申請後の版でもまだ十分な改善とはいえないような内容になっていることが指摘されている。

 記述訂正を求めているグループは堂故政務官の答弁に反発し、仲里利信衆院議員(オール沖縄・無所属)とともに記者会見を開き、文科省へ抗議の意向を示した。今後、文科省への直接の抗議申し入れも準備しているという。

 教科書に不正確な記述が残されるのは好ましくない。政務官の答弁は、一見すると差し障りのない一般論とも受け取れる一方、具体的に起きている問題からは巧妙に目をそらしているとも受け取れるような形にもなっている。このような形にとどめていいのだろうか。

(参考)
◎「修正求めるに至らず」 帝国書院誤記 文科省政務官が見解(琉球新報 2016/4/27)
◎政務官発言に抗議 教科書の沖縄コラム誤記めぐり 「県民大会決議実現させる会」(琉球新報 2016/4/27)

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