帝国書院高校現代社会教科書:訂正申請後も不適切な記述残るとして抗議

 2017年度から使用予定の帝国書院の高校「現代社会」教科書で、沖縄米軍基地問題について誤った認識に基づく記述があるとして訂正申請がおこなわれた問題に関連して、仲里利信衆院議員(オール沖縄・無所属)と「9.29県民大会決議を実現させる会」は4月18日に沖縄県内で記者会見し、訂正後も不適切な記述が残っているとして、改めて抗議の意を示し、帝国書院と文部科学省に対して再度の訂正申請を求める意向を明らかにした。

 この問題では、帝国書院の教科書では沖縄基地問題について、「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」「基地の存在とひきかえに、ばくだいな振興資金を沖縄県に支出し」などと記述され、2016年3月に公表された高校教科書検定でもその記述が通過した。

 検定結果が明らかになると、沖縄県の住民からは「基地が県の経済に占める割合は年々低下している。現在は5%に縮小している。事実に反する」などと強い反発を招き、地元紙の『琉球新報』『沖縄タイムス』ともに教科書の記述を強く批判する記事を出した。帝国書院でも「内部でもこの記述を疑問視する声があり、かねてから訂正を検討していた」として、訂正申請に踏み切った。

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 訂正申請では、問題とされた箇所は削除されたものの、「毎年約3000億円の振興資金を沖縄県に支出し」といった記述になった。これについても、「米軍基地の集中により、沖縄が通常予算以外に3千億円の『振興資金』を得ているとの印象を与える」「国自体が勉強不足と考えられ、沖縄差別としか思えない。基地があるから沖縄は豊かに暮らしているという間違った解釈が全国に広がりかねない」(仲里衆院議員)などとして、厳しく批判している。

 訂正申請によっても、本質的な問題が解決できていないという状況が浮き彫りになっている。再訂正が必要な事案ではないだろうか。

(参考)
◎帝国書院記述に抗議 実現させる会など「沖縄差別」指摘(琉球新報 2016/4/19)