保育条件低下の「規制緩和」求める:大阪府知事

 松井一郎大阪府知事は4月13日の記者会見で、保育所の待機児童問題について、府内の市町村を対象に、国家戦略特区を活用した規制緩和を目指す方針を表明した。

 子ども一人あたりの面積基準の緩和について、現在は大阪市のみ特例で認められているが、特例以上の基準緩和を府下の全市町村に広げたいとした。また保育士不足への対応として、保育士以外の人材の登用の枠を広げることも要望した。

 しかしこれでは、保育条件の低下にしかならない。

 面積基準の緩和となると一見すると何か前向きの施策にも見えるが、実際はそうではない。保育所には子ども一人あたりの面積の最低基準が設けられている。それを緩和するということは、実際は子ども一人あたりの最低の面積を縮小させることになる。これはすなわち、保育施設そのものの面積拡張などなしに、同じ保育所に従来よりも多くの児童定員が設定されることになり、同じ保育室により多くの児童を詰め込むことができるということになる。

 これは待機児童を数の上では解消できるということにはなるのかもしれないが、児童同士が狭い空間で交錯したり、保育者の目が届きにくくなったりして、事故増加につながるリスクが指摘されている。保育団体が2013年に実施した実証調査でも、わずか数時間の実験とはいえども、保育の質が低下する状況も見られたという。

保育所面積緩和でどうなるか実証調査
 東京新聞2013年4月29日付朝刊に『詰め込み保育「目届かず」 面積基準緩和を検証』が掲載されている。  国や一部の地方行政は、待機...

 また保育士不足については、保育士への待遇の問題が指摘されている。専門職である保育士への待遇を改善することからは目を背け、無資格者を登用することでは、余計に保育条件が低下することになるのは明らかではないか。