大阪市の認可外保育施設で児童死亡事故

 大阪市は4月12日、同市淀川区東三国5丁目の認可外保育施設「たんぽぽの国」で1歳男児が死亡する事案があったと発表した。

 事故は2016年4月4日に発生した。同日午後3時半頃、昼寝中の児童が息をしていないことに保育士が気づき、応急措置をした上で119番通報した。児童は病院に搬送されたが死亡した。

 大阪市は同日夕方に児童の保護者から連絡を受け、事案を把握した。その時点では、施設側からの事故の届け出はまだだったという。大阪市は同日中に保育所への立ち入り調査を実施した。当日を含めた勤務体制表からは、職員が1人しかいない時間帯や有資格者不在の時間帯があるなど、保育体制の不備が見つかった。

 大阪市は立ち入り調査の結果を受け、翌4月5日付で施設に対し、「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」を返却させた。

 児童の死因については報道の範囲では情報不足だが、一般的に考えれば、保育体制がきちんとされていれば、事故を防げた可能性も考えられるのではないか。

 大阪市では維新市政のもと、保育条件の切り下げが進んでいる。認可保育所では、大阪市独自に基準を上乗せをおこなっていたものを、一気に国基準以下の基準に切り下げる条例案も出された。

 また前市長の橋下徹は保育問題については、子育て経験がある誰かに適当に預からせればいいとばかりに扱って、待機児童解消については認可保育所ではなく、認可外保育施設の一形態として、保育関連の専門的な学習や実務の経験のない人でも子育て経験があれば講習だけで認定する「保育ママ」制度の導入でまかなおうとするなど、とんでもないことを打ち出していたことを思い出す。橋下が市政から去っても、大阪維新の会の市議が2016年3月の市会委員会で「保育所では、無資格でも子育て経験のある人を支援員として入れればいい」などと発言する事例もあった。

 そういう保育条件の切り下げを遠因として、事故につながったという気がしてならない。

 大阪市に限らず全国レベルでも、保育の問題は大きな社会問題となっている。待機児童解消の問題・子どもが育つ場としての保育所の条件整備の問題・保育所の条件整備の一環として保育士を専門職としてきちんと見合った待遇にする問題、これらは別個のものではなく一体のものとして改善に取り組む必要がある。

(参考)
◎大阪市こども青少年局「【報道発表資料】認可外保育施設で発生した死亡事故について」(2016/4/12)
◎大阪市の認可外保育園で男児死亡 市当局、態勢の不備を確認(共同通信 2016/4/12)

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