高校生の政治活動:神奈川県「届出制の必要はない」

 18歳選挙権導入に伴い、高校生の政治活動について学校への届出制・許可制を導入するかどうかが問題になっている。桐谷次郎・神奈川県教育長は4月7日、神奈川新聞社の取材に対し、届出制の必要はないという見解を示した。

 教育長は取材に対し「高校生も主体的に政治活動をおこなうことが前提で18歳選挙権は成り立っている。高校生の政治活動参加は当然」「法令や日常の生徒指導の内容を生徒一人ひとりが考えて行動するよう促すのが教育」として、規制はしない方向性を示した。

 文部科学省は、高校生の政治活動への学校の対応については、各学校ごとに個別に判断するものとしながらも、一般的に言って届出制・許可制を全面禁止するわけではなく、個別判断では導入の選択肢も否定しないという見解を示し、その旨を都道府県教育委員会に通知した。

 一方で文科省の通知に対しては、事実上の制限につながりかねないという危惧も指摘されている。実際に愛媛県では、教育委員会担当者が高校などに対して、政治活動を許可制・届出制にするための校則改訂のひな型を、校長の署名捺印さえあればそのまま県教委への提出文書となるような形で配付し、それを受けて全校が校則改訂に踏み切った。

 高校生の政治活動については、基本的には成人と同じようにおこなえばよく、高校生だからといって学校が特別な制限を課すような問題ではない。生徒指導上の諸問題をあれこれ想定して事前に制限しようという動きもある。「選挙違反事案に巻き込まれる」「政治活動に熱中して学業が疎かになる」「強引な政治活動で同級生とトラブルになる」などの想定自体は一見するともっともらしく見えるが、しかし危惧される問題に対してはその都度個別に対応すべき課題である。好ましくない問題が起きるおそれがあるからといって、高校生の活動自体を事前に規制して萎縮させるような性質のものではない。

 大阪府や宮城県では、届出制の必要はないという見解をすでに示している。神奈川県もそれに続くものとなった。神奈川県での決断を支持するものである。

(参考)
◎高校生の校外政治活動 県教委「届け出不要」(神奈川新聞 2016/4/8)