市立小学校34校統廃合方針:大阪市

 大阪市教育委員会は4月6日までに、市立小学校290校のうち34校を統廃合の対象とする方針を策定した。

 橋下徹前市長が全体の約3分の1にあたる101小学校を大幅に統廃合する方針を出していたことから、2015年度より区担当の教育次長を兼任するようになった各行政区の区長が、行政区ごとに再編構想を取りまとめたものだという。橋下の狙いからは下回ったものの、全小学校の1割以上となる大幅再編になる。

 学校の適正規模を11学級以上24学級未満とし、小規模校については「クラス替えが出来ず人間関係が固定される」などとして統廃合の対象とした。2014年度時点で11学級を下回る学校は84校あったものの、将来的に児童数の回復が見込まれる学校、校区の変更で対応できる学校、すでに統廃合方針が決定している学校を除き、34校が対象となった。

 具体的な統合先の選定や地元との調整などは、今後の課題となっている。なお、生野区では他区に先駆けて、具体的な統廃合校の組み合わせをあげて、区西部の12小学校を4小学校へと再編する構想を2016年2月に公表している。

 小規模校については、「人間関係が固定される」「体育の球技や音楽の合唱・合奏の授業、運動会など学校行事といった集団活動に支障が出る」「教師にとっても同学年の担当者同士で授業の進め方など意見交換ができなかったり、教師の数が少なく校務分掌を多数兼務する形になる」として、統廃合が望ましいとする意見もある。一方で、一人ひとりに目が届きやすいなど小規模校ならではのメリットもある。複式学級になるレベルで児童数が減少している場合でもない限り、単学級の小規模校だからといって即統廃合対象というのも、機械的な措置ではないかという見方もできる。

 何よりも重要なことは、統廃合するにしても見送るにしても、効率化という視点ではなく、ひとりひとりの児童にとって何が最善な教育環境かという観点から議論を出発させ、また議論の中では常にそのことを軸に置かなかねればならない。統廃合の方針を押し付けるのではなく、統廃合撤回・見送りの選択肢も排除しない前提で、関係者とのていねいな合意が求められる。

(参考)
◎大阪市教委 市立小1割を統廃合へ 少子化で再編計画(毎日新聞 2016/4/6)
◎大阪市立小学校の統廃合、新たに34校 市教委が計画(日本経済新聞 2016/4/7)