給付制奨学金「一定基準のもとで卒業後に返済免除」軸に検討:文科相会見

 馳浩文部科学大臣は4月5日の会見で、給付制奨学金について、在学中の学業成績などで判断して卒業後に返済を免除する仕組みを軸に検討したいとする意向を示した。

 奨学金問題については与野党問わず、改善や給付金奨学金導入を求める意見が出されている。今回の馳文科相の見解表明は、政府与党となる自民党・公明党がそれぞれ、安倍首相に対して給付金奨学金導入を求める提言を出したことを受けたもの。

 これでは給付制奨学金のシステムは骨抜きにされ、実質的な貸与制維持になるのではないか。

 現行の貸与制奨学金制度でも、卒業生に返済の高負担が重くのしかかることで生活にも支障が出ているケース、卒業の返済を不安視して進学をあきらめざるをえなかった高校生など、深刻な実態も生まれている。

 学業成績の基準をどこで切るかなどは具体的に明らかにされていない。極端な話、「全科目の評定が『優』『A』など最高評価の学生しか免除しない」「成績上位数%の学生しか免除しない」などのこともありうる。また病気や家庭環境の変化などやむを得ない事情で断念せざるをえなかった場合や、進路変更を決断した場合などの扱いはどうなるのか。

 これでは、返済の高負担や不安を解消することにはつながらない。

 返済免除規定ではなく、本当の意味での給付制奨学金にすべきではないか。

(参考)
◎給付型奨学金 “卒業後に返還免除”軸に検討(NHKニュース 2016/4/5)
◎給付型奨学金、成績で判断=馳文科相(時事通信 2016/4/5)