教科書検定過程透明化など報告:教科書審議会

 教科用図書検定調査審議会は12月25日、教科書検定の見直しの一環として、教科書検定過程の透明化などを求めた報告書を提出しました。

 報告書では検定の透明化を図るため、教科書調査官の氏名や職歴・意見書などを事後公開するとしています。一方でそういった公開情報は事後公開となり、リアルタイムでは公表されません。
 教科書検定の改善案は、沖縄戦「集団自決」問題を受けてのものです。一応公開することで不十分ながらも一歩前進かのようにも見えますが、ことはそれほど単純なものではないようです。
 「大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会」「大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会」「 沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」「子どもと教科書全国ネット21」「日本出版労働組合連合会」の5団体の共同声明『【共同声明】検定審議会・作業部会の検定制度見直し最終報告は改悪であり、これに基づく教科書検定制度改悪に断固として反対し、白紙撤回を求める』によると、現行制度でも「今回新たに事後に公開するとしたものは、すでに情報公開法で開示されている」と指摘した上で、問題点を緻密にあげ、今回の案は改善ではなく改悪だとして「「透明化」とは逆行する検定のいっそうの密室化をめざす内容になっている。あたかも「改善策」のように見せ掛けいっそうの改悪をすすめる狡猾なやり方と断ぜざるをえない」「この報告に基づいて検定制度改定が行われることに、断固として反対することを表明する」と強い反対の意思を表明しています。
 これらの団体はいずれも、「集団自決」の記述が後退させられたことに強く反対し、記述後退のきっかけとなった「沖縄ノート」訴訟では大江健三郎氏と岩波書店を支持したグループです。
 改善策かのように見せかけて改善とはほど遠い改悪案を出すというのは教育行政の得意技ではありますが、この問題はどこに進んでいくのでしょうか。