※当ブログは新サイト に移転いたしました。

新規の編集は、新サイトの方で実施しています。

神奈川県立神田高校不適切入試運営問題の続き

 神奈川県立神田高校で、あらかじめ公表されていた入試選抜基準にはない「願書提出時の服装や態度」によって、2005年度以降合計22人が合格圏内に達していたにもかかわらず不合格になった問題で、神奈川県教育委員会は11月1日付で同校の校長を異動させることを決めました。

 一方で神奈川県教育委員会には、校長の異動に反対する意見が多数寄せられているということです。『神奈川新聞』2008年10月30日付『県教委に意見が殺到/校長ら擁護の意見が九割強、神田高校の不適正入試問題』によると、以下のような意見が紹介されています。

 九割以上が「服装や態度で選考して何が悪いのか。選考基準になくても当然の判断だ」「高校は義務教育ではないのだから校長の判断は正しい」「風紀の乱れを事前に守ろうとした校長がなぜ解任されるのか」―などと校長解任に異議を唱えているという。
 一方で、「不合格は行き過ぎだった」「選抜方法を見直すべきだった」などの意見は一割弱という。

 学校関連の事件が起こると「学校側は善、生徒側は悪」という偏見や先入観に基づき、一方的感情的に騒ぎ立てる輩があとを絶たないというのは、これまでもありました。今回の学校擁護論も感情論に過ぎません。
 そもそも今回の問題の核心は、あらかじめ公表された選考基準にはない「裏選考基準」を後付け的に作り、不正に入試選抜をおこなっていたことです。服装や態度の問題は、たまたまその「裏選考基準」だったということからきた派生的な問題で、そもそも別のレベルの問題です。その点を無視して「服装の乱れを防ぐために不正な入試運営をして何が悪い」などとレベルの異なる問題を混同した主張をおこなうのは、「目的のためなら何をしてもよい」という感情論に過ぎません。
 神奈川県教委に寄せられた意見は約800件あり、うちこのような感情論が約700件あったのは、「教育関連の問題ではこういう感情的な主張をおこなう輩ほど騒ぐ。本質的にものを考えられる人は黙っている傾向がある」ということも差し引いても、恐ろしいことです。
 個人的には、そもそも服装や態度など主観的なものを選考基準に入れると収拾がつかなくなるし、こういうのを認めてしまうと逆の意味での不正(有力者とのつながりのある受験生を「態度がいい」などという理由を付けて水増し合格させる)というのも理論的には可能になってしまうので、服装や態度を選考基準に入れても意味はないと考えています。しかし少なくとも、服装や態度を選抜基準として入れるのならば、事前にその旨を公表すべきでしょう。