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学力テスト結果開示求めて訴訟:鳥取

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 全国学力テストの市町村別・学校別結果の開示請求をおこなったが非公開措置にされたのは違法として、鳥取県の「市民オンブズ鳥取」が鳥取県に対し、開示を求める行政訴訟を10月3日までに起こしました。

 鳥取県が非開示にした理由としては、以下のようなことがあげられています。

 訴状によると、県教委は開示請求をした市民オンブズ鳥取に対し、9月2日付で非開示と通知。理由として、教育現場で過度な競争が生じるおそれがあり、市町村教委の協力が得られない可能性が高い▽非公開を前提として実施された▽子供の心情に対して教育的配慮が必要――と説明。条例が例外的に非開示と規定する「国の事務の適性な遂行に支障を及ぼすおそれがある文書」に該当するとした。
(『毎日新聞』2008/10/3「情報公開を問う:学力テスト成績非開示 「おそれ」決着は法廷で /鳥取」)

 一方でオンブズマン側は、非開示で得られる不利益は「漠然とした“おそれ”の域を出ない」などとして、「条例の恣意的解釈・条例違反」などと批判しています。
 しかしこれは、鳥取県の方に分があります。オンブズマンの主張は「まず開示ありき」で後付け的にこじつけたものでしかないと感じます。
 少なくとも、開示による不利益は「漠然とした恐れ」ではなく、現実に発生した事象から導き出された内容です。
 1960年代の全国学力テストは、過度の競争の弊害が生まれたために中止されました。また2007年から復活された全国学力テストでも、都道府県別の結果公表でも「点数だけでしかものを見ないような風潮」が生まれています。また地域の学力テストで学校別成績を公表している自治体もありますが、実際に過度な競争などはあちこちで生まれています。
 当の鳥取県でも、2003年度に県独自の学力テストがおこなわれ、学校別結果が公表されました。そこでどのような事態が発生したのか。

ある中学校で「ある教科の成績が悪かった」として、保護者や地域住民が地域ぐるみで該当教科担当教師を非難し、教師が転勤に追い込まれたという事例が紹介されています。また別の中学校では、結果が悪かったことで生徒が自信を失った結果、生徒間暴力や対教師暴力が頻発したことも指摘されました。
(当ブログ2008/08/07『全国学力テスト成績公表、市町村教委・校長は否定的:鳥取県』より再掲)

 それらの具体例を見れば、「恐れ」は漠然としたものではありません。開示による弊害は具体的な形で発生しているものです。もっというならば、開示をめぐってこういう問題が発生すること自体が「全国学力テストによる弊害」でしょう。