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「集団自決」の強制認めず:教科書検定

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 高校日本史教科書の沖縄戦「集団自決」検定問題で、教科用図書検定調査審議会は12月26日に再申請の結果を報告し、集団自決に日本軍の強制があったという記述を一切認めないことを決めました。また検定意見の撤回もおこないませんでした。

 清水書院『高等学校日本史B 改訂版』では、検定前の記述が「日本軍に集団自決を強制された人もいた。」に対して、検定後に「集団自決に追い込まれた人々もいた。」となり、再申請でも「日本軍の関与のもと、配布された手榴弾などを用いた集団自決に追い込まれた人々もいた。」とされました。

 東京書籍『日本史A 現代からの歴史』では、検定前の記述が「集団で「自決」を強いられた」に対し、検定後に「「集団自決」においこまれた」と変更させられ、再申請でも検定前の記述は復活されずに「日本軍によって「集団自決」においこまれた」となっています。

 三省堂『日本史B 改訂版』では、検定前の記述が「日本軍に「集団自決」を強いられた」に対し、検定後に「追いつめられて「集団自決」した」となり、再申請でも「日本軍の関与によって集団自決に追いこまれた人もいる」という記述となっています。

 他教科書の記述も概して同様で、集団自決については「誰が追い込んだ」のかという主体を書かせずに「追い込まれた」と記述させることにとどめ、「背景に日本軍の強制があった」というもともとの記述の復活を一切拒否しています。

 文部科学省側の主張する、「『多様な背景や要因』があったから日本軍の強制と断定するのは不適切で『日本軍の強制』を書くのは過剰な単純化」という論理は当たりません。逆に「『多様な背景や要因』を作り出した根本に日本軍の強制があった。このことを抜きに『多様な背景や要因』だけを書き連ねて軍の強制性をぼかすことこそが過剰な単純化」だというのが学問上の到達点です。

 今回の結果は、学問的な到達点を全く無視しているうえに特定の政治勢力の圧力も働いている、もともとの検定の路線を基本的に踏襲するものです。とうてい支持できるものではありません。