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「集団自決」検定問題:教科書審議会が意見付ける

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 高校日本史教科書での沖縄戦「集団自決」に関する記述の問題で、教科用図書検定調査審議会が「集団自決は多様な背景、要因がある。強制と断定する一面的な記述は適当ではない」などとする考え方を、文部科学省を通じて教科書会社に伝えていることがわかりました。12月7日付の各紙報道で報じられています。

 教科書審議会の意見は、訂正申請に対していわば「巻き返し」を図ったものだとみられます。
 しかし教科書審議会の意見については、学問的な到達点の上では否定されています。研究の到達点では、直接的な軍の命令だけではなく、多様な背景・原因を通じて集団自決に追い込むような体制を日本軍全体として作り出したという意味で、軍の強制があったと表現しています。個別の部隊について直接的な軍の命令があったのかどうかを争うのは別の問題となり、個別の部隊の命令があったかどうかを争っても全体的な強制を否定できるものではないと考えられています。
 すなわち、個々の命令があったかどうかを争って「強制と断定する一面的な記述は不適当」というのは当たりません。こういった論議に関しては「レベルの異なる問題を意図的に混同するもの」と厳しく批判されているものです。むしろ「強制があったかどうかわからない」かのように記述することこそが、「一面的」で「適当ではない」と言えるのではないでしょうか。
 もとをたどれば検定意見が撤回されなかったことが、このような混乱を生む余地を生んだのではないかとも言えます。また「新しい歴史教科書をつくる会」やそこから分かれた「教科書改善の会」など一部の教科書改悪勢力が文部科学省に「検定意見堅持」を求めるような請願も出しています。
 今後の動きについては慎重に対応していかなければならないのはいうまでもありません。学問的事実に沿った教科書を作成するという観点からは、訂正申請が受け入れられ、また記述を後退させた再申請がおこなわれるような状況を生み出さないようにしなければならないでしょう。