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「高卒学力テスト(仮称)」って…

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 政府の教育再生会議が、大学進学者の学力を確保する手段として「高卒学力テスト(仮称)」導入を検討していることが、11月18日までに判明しました。このテストへの合格を大学受験資格の必須要件とすることを検討しているということです。〔『共同通信』2007/11/19

 教育再生会議がこのような提案を検討している理由として、AO入試や推薦入試での合格枠が拡大していることで、大学入学時に必要な学力が備わっていない学生が増加していることがあげられます。
 書類選考や高校からの推薦など、入試で学力テストを課されないケースがあるというのは事実です。また大学生の学力低下がいわれていて、理系学部・学科を中心に高校レベルの内容を教える基礎科目を開講している大学も増加していることも事実です。
 しかしこのことを理由に、「高卒学力テスト(仮称)」を導入して学力担保を図るという発想は、上記の事実の改善とは結びつきません。むしろ、高校教育にさらなるゆがみを生み出す危険性すらあります。
 まず、大学生の学力低下をどうにかしたいというのなら、現行の学習指導要領に基づく高校教育の体制を根本的に変更しなければどうしようもありません。
 必履修科目の多様化や、教育内容に系統性が乏しく生徒には理解が困難となっていることが指摘されていることなど、学習指導要領での教育体制を根本的に見直さなければいけません。問題は根本的・構造的なものです。
 「詰め込み教育」への逆行ではなく、学習内容を系統的に整理して必要な内容をじっくりと学べるようなカリキュラムへと転換する必要があります。
 そういった学習指導要領体制への反省なしに、まるで生徒や現場の高校関係者だけに責任をなすりつけるかのように「高卒学力テスト(仮称)」を導入することは疑問です。高校教育が従来以上に、狭い意味でのテスト対策中心になってしまってさらにゆがみを生じさせ、大学教育に必要な学力を保障することができないという最悪の結果に陥る危険性すらあります。