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なんともばかばかしい控訴:福島「体罰」賠償金訴訟

 福島県郡山市立中学校で2001年に発生した「体罰」事件で被害生徒に賠償金を支払った福島県が、「教師の管理責任・賠償責任は郡山市にある」として郡山市に対して賠償金の求償を求めた訴訟について、福島県は一審福島地裁判決を不服として10月28日に控訴したということです。

 この事件については、「福島県と郡山市が連帯して損害賠償50万円を支払う」判決が福島地裁で出て、控訴審の仙台高裁では被害生徒と郡山市のみの和解が成立しましたが、福島県は和解を拒否して決裂したという経過があります。その際に裁判終結の手続きの関係で、法律上福島県が賠償金を全額支払うことになりました。
 その後、福島県から被害生徒に賠償金約59万円(延滞金相当額も含む)が支払われましたが、福島県はその59万円を郡山市に請求しました。郡山市が支払いを拒否したために裁判の場に持ち込まれ、2007年10月16日に福島地裁で「県と市の両方に責任がある」と認定し、県と市の賠償責任を1:2と算出し、3分の2に相当する約39万円の支払いを郡山市に命じる判決を出しました。
 しかし福島県は地裁判決を不服として控訴しました。控訴の理由としては、「郡山市が全額支払うべき。判決が先例となった場合、市町村立学校で起きた同様の事件・事故はすべて教員の任命権を有する県にも相応の負担が求められることが想定される(福島放送・webニュース 2007/10/29)」としています。
 この間の経過を見ると、正直言ってばかばかしい訴訟だと感じます。教員の任命権は県にあり、また市立学校の管理責任は市にあるということで、管理者としての相応の責任は県と市の両方に求められると解釈するのが妥当です。
 仮に福島県が「暴力加害教師個人」に対して求償を求めたのならば、まだ理解する余地はありました。しかし、県と市で不毛な争いをするということは、お互いに学校事故の責任をなすりつけあって責任逃れを図っているだけと見なされても仕方がありません。また、裁判にかかる費用も余分に使うことになります。裁判費用は税金から支出されることになるわけで、県民の支持を得られるのでしょうか。