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大阪市立デザイン教育研究所問題、毎日新聞が経過を記事に

 大阪市立のデザイン系専修学校「大阪市立デザイン教育研究所」(デ研)問題について、『毎日新聞』(大阪版)2014年10月22日付が特集記事『大阪市立デザイン教育研究所:どうなる? 市教委、存廃で二転三転 18年度以降未定、受験生が混乱 /大阪』を出している。

 大阪市立デザイン教育研究所(デ研)は1988年、大阪市立工芸高校と接続することを想定した市立専修学校として、工芸高校敷地内に発足した。工芸高校をはじめ高校で美術・デザイン系の専門学科を卒業した学生を対象に、高校の教育内容を発展させる形で接続した美術・デザイン系の学習・教育・研究をおこなうことが目的となっている。

 2010年度に大阪市の事業仕分けの対象となり「民営化すべき」と判断されたものの、当時の市教委は「民営化は困難」として、民営化が撤回された経緯がある。

 その後2013年6月、同年秋に予定していた入試の中止と在校生卒業後の閉校の方針が掲げられた。『毎日新聞』の記事では、2010年の事業仕分けと2013年の入試中止発表に関連があるかのように読める書き方となっている。しかしこれは重要な経過を欠落させたものであり、結果的に不正確な内容になってしまっている。

 「事業仕分け」後の2011年に「大阪都構想」を掲げる橋下徹大阪市長が当選した。「大阪都構想」では大阪市立学校に「二重行政」の一つと難癖をつけ、大阪市立の大学・専修学校・高校・特別支援学校を大阪府に移管する計画が打ち出された。その際にデザイン教育研究所については、府に移管することなく廃校にするのが適当という方針があげられた。2013年の入試中止発表は、橋下「大阪都構想」に関連するものである。

 閉校方針に対して卒業生や保護者から反対運動が起こり、受験準備をしていた受験生に対して受験直前に閉校を発表するのはひどいということも加わり、署名運動や市会での議論を背景に、2013年の入試実施・入試中止年度の1年延期を経て、2014年7月に閉校方針が白紙撤回された。

 しかし大阪市教委が方針を決めた翌日、橋下徹大阪市長が市教委の方針に反発し、「政治方針を無視している。予算はつけない」などと批判する内容を記者会見で話した。それを受けて大阪市教委は再度協議し、当面2年間は市立として運営するが、その後は市立学校としての入試はおこなわず、民営化を含めて検討するという案へと再び変えることになった。

 具体的に移管などは可能かどうかについての結論は、2015年度中に出すとしている。

 デザイン教育研究所の存廃をめぐる問題は、政治が教育に介入した時の弊害の典型例だといえる。

 「大阪都構想」なる政治的な都合はともかく、教育上の必要性からは、現時点では学校を廃止する理由は見いだせない。大阪市教委も現地視察を経て、存続は必要と一度判断している。当面は現行の枠組みをもとにして、教育活動を発展させていくことが重要なのではないだろうか。

 究極的には市長を代えて教育分野にも理解がある人を選び直すことになるのだろうが、少なくとも教育の中立性・行政からの独立を強く主張していくような学校関係者や住民の取り組みが必要となってくる。