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全国学力テスト成績:全都道府県で不開示に

 『読売新聞』の調査によると、全国学力テストの市町村別・学校別成績について、47都道府県のすべてが「公表は考えていない・住民から情報公開請求があっても原則不開示にする」としていることが判明しました。〔「読売新聞」2007/10/12 『学力テスト成績、学校・市町村別は公表せず』

 学校の序列化が懸念されるという理由などから不開示を表明しているのは当然のことであり、全面的に支持します。
 そもそも、学力での評価は学校の教育活動の一断面に過ぎず、学校のすべての教育活動が学力テストの成績で評価できるなどありえません。また学力テストで測れる学力も、全体のうちの限られた一部分にしか過ぎません。教育学的には、学校別や地域別の比較は無意味といっても過言ではありません。
 しかし、学力テストの成績だけを拡大解釈して、序列化や学校間比較をしたがる俗物もいるようです。実際に、地域の統一学力テストで学校別・地域別の成績を公表している地域では、順位の違いといっても統計的には誤差程度のレベルしかないにもかかわらず、あやふやな「噂」程度のものが一人歩きして「学力テスト上位校がいい学校」かのように扱われて序列化が進み、すべての学校で教育条件が悪化しています。また学校選択制とセットのところでは「人気校」と「不人気校」の格差ができ、「人気校」では過密化、「不人気校」では極端な少人数化による学校運営への影響・「不本意入学」による子どもの荒れや無気力化など、ともに教育条件の劣悪化を招いています。また学力テストの成績アップが自己目的化し、学力テスト対策の模擬問題を解かせるのに時間と労力をかけさせるという本末転倒な学校もあるなど、日常の教育活動にも影響が出ています。
 根本的には、今回のような形での全員調査の全国学力テストを中止することが必要です。文部科学省としての統計資料を得ることが目的ならば抽出調査で十分ですし、児童・生徒の学力の把握ならば校内のテストで十分だと考えられます。
 しかし少なくとも、今回の学力テストの地域別・学校別成績については、内部資料として扱って公表しないことが重要です。