北九州市立青葉小学校事件:市側が争う姿勢

 北九州市立青葉小学校で2006年3月、担任教師が暴行を加えて児童を自殺に追い込んだ事件で、自殺した児童の遺族が起こした訴訟の第1回口頭弁論が4月26日に開かれました。北九州市は請求棄却を求めたということです。

 北九州市教委の主張はひどすぎます。女性教諭の行為について、「体罰」以前の感情的な暴行と認定しているわけでもありません。北九州市教委は「胸ぐらをつかんで一方的に怒鳴りつけたり床に押し倒すなどしたことは『体罰』でも暴力でもなく、正当な行為である。文句を言う方がおかしい」と主張していることは明らかです。
 また北九州市では「日常的に『体罰』を禁止する措置をとっていた」なども形式上のものだと判断しなければいけないでしょう。北九州市では、日常的に生徒に暴行を加え続けた市立中学校教諭・林壮一郎を、2003年に一度は懲戒免職にした画期的な措置をとったにもかかわらず、林やその支持者による行政対象暴力まがいの異常な抗議行動・政治的な圧力とみられる不審な支持者の行動に屈して復職させた前歴があります。ただでさえ悪質な「体罰」事件が続発する北九州市ですが、林の一件以後、北九州市の暴力・「体罰」への対応はさらに後退していることは明らかです。
 今回の問題についても、本来ならば徹底的に明らかにしていかなければなりません。しかし加害教師からの異常な抗議でも恐れているのか、北九州市教委は全く事実関係を明らかにしようとせず、すべてを自殺した児童のせいにしようとしています。
 しかもこの加害教師、暴力を加えた上に、暴力に耐えかねて一度教室から飛び出した児童に対し、児童が教室に戻ってきたところを「何で戻ってきた」とさらに追い打ちをかけるように怒鳴りつけています。全く論外の行為です。北九州市として事実関係を争う姿勢を示したのは、このような教師の行為を正当と宣言していることに等しいことです。
 しかし北九州市教委の論理は、関係者以外の一般の常識とは相反するものです。北九州市教委は遺族と争う姿勢をやめ、遺族とともに暴力事件・自殺事件に関する事実関係を究明する立場に立つべきなのです。

北九州市若松区の小5自殺 市側争う姿勢〔「西日本新聞」2007/4/26夕刊〕
 昨年3月、北九州市若松区の市立青葉小5年○○君=当時(11)=が自殺したのは担任の女性教諭による体罰などが原因として、○○君の両親が同市に約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、福岡地裁小倉支部(岡田健裁判長)であった。市側は請求棄却などを求める答弁書を提出、全面的に争う姿勢を示した。
 市側は答弁書で「女性教諭が日常的に体罰を行い、自殺当日も体罰を加えた、との両親側の主張は事実に反する」と指摘。「学校と市教育委員会は、日常から体罰を禁止する措置を取っていた」と主張した。
 母親の○○さん(45)はこの日の意見陳述で「市教委は第三者による調査委員会の設置を拒むなど、事実を隠そうとしている」と主張。原告側は「学校側のいう『体罰』の定義を明らかにしてほしい」などと求めた。
 訴状によると、○○君は2005年4月から女性教諭の体罰を受けるようになった。06年3月16日、別の児童とトラブルになった○○君を女性教諭が教室で怒鳴り押し倒すなどした。○○君は帰宅後の同日夕、自宅で首をつって自殺したという。
(※自殺した児童の関係者は原文では実名報道されていますが、プライバシーに配慮して当サイトで匿名に変更する加工をおこないました)