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八重山教科書問題、採択地区分割に否定的見解:文科相

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 沖縄県八重山地区の中学校社会科公民的分野の教科書採択問題で、沖縄県教育委員会が教科書採択地区の細分化を検討したことに対し、下村博文文部科学相は1月17日、「一つの採択地区として設定すべきだ」として分割に否定的な見解を示した。

 八重山地区では石垣市・竹富町・与那国町の3自治体から構成されている。「新しい歴史教科書をつくる会」支持派の教科書採択協議会委員長が主導し、強引な手法で、地区の教科書採択で「育鵬社版が妥当」と答申した。現場の教員からは希望があがっておらず、採択協議会としても検討していなかった。他の2町は答申通りに育鵬社版を採択したが、竹富町は「手続きが不透明」「採択権は町教委にある」として、東京書籍版を採択した。
 法律上採択権は自治体教育委員会にある一方、別の法律の規定では同一教科書採択地区は同一教科書を使う規定もあり、2つの法律で異なる規定をおこなっていることから齟齬をきたす形になった。
 政府・文科省は「つくる会」側に一方的に加担し、竹富町の措置を「違法」と決めつける対応を繰り返している。
 沖縄県教委は事態収拾を図るための一つの策として、同地区の採択地区を分割することを検討した。しかしそれに文科省が否定的な見解を示した形になる。
 しかし文科省見解は、全く整合性が取れないものである。2002年8月30日付の文科省の通知では以下のように明記されている。

教科書制度の改善について(通知)
14文科初第683号
教科書の採択地区は、地域の実状等を踏まえ、適切な範囲に設定することが必要である。このような観点から、近年、採択地区の小規模化が進みつつあるが、現行制度上、市又は郡単独でも採択地区を設定できることとなっているのに対し、実際にはより広い区域に採択地区が設定されており、制度上、必要があれば更に小規模化することも可能な状況にある。都道府県教育委員会は、今後とも、各市町村教育委員会の意向等を的確に踏まえ、採択地区がより適切なものとなるよう不断の見直しに努める必要がある。

 教科書採択地区の適正化をうたっているが、適正化はすなわち、現地の意向を踏まえながらの小規模化の方向こそが望ましいと示されている。
 下村文科相は「採択地区を市町村単位に変更できるよう現在検討していることについて、市町村合併の進行などに伴うものだと指摘。八重山地区に適用することが目的ではない」「八重山地区は地理的、社会的条件や関係自治体との規模などから、一つの採択地区として設定すべきだと考える」などと話したという。しかし文科省自身の通知からですら、そんなことは読み取りようもない。竹富町や沖縄県に物言いを付ける理由など全くない。
 育鵬社版の教科書を押し付けるための、なりふり構わない攻撃であると判断せざるを得ない。
(参考)
◎八重山地区教科書問題、竹富町分離を検討(琉球新報 2014/1/16)
◎八重山教科書 竹富分離は「不適切」 国、県に回答へ(琉球新報 2014/1/17)
◎教科書問題、竹富町分割を否定=「八重山地区は一つ」-下村文科相(時事通信 2014/1/17)