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神奈川県教委、2014年度教科書採択を決定

 神奈川県教委は8月20日の教育委員会で、県立高校で2014年度に使用する教科書を採択した。各学校からの希望をそのまま追認する形で採択することが通例の高校教科書採択で、神奈川県教委が実教出版の日本史教科書を敵視し、採択希望を出した学校には県教委が採択変更を迫っていた問題が発覚していた。

 実教出版の高校日本史教科書『高校日本史A』『高校日本史B』ともに、国旗国歌法に関する記述で、日の丸の掲揚や君が代の斉唱について「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」としている。このことに対して神奈川県教委が反発し、この教科書を排除する形をとった。
 実教出版日本史教科書のこの記述をを標的とした採択妨害・教科書攻撃は、東京都教育委員会や大阪府教育委員会でも発覚している。また大阪市教育委員会でもこの教科書を名指ししていないものの、排除を図ることを前提としているような教科書採択手続きの変更を打ち出している。
 神奈川県では、採択を希望していた学校は事前に教科書を変更し、採択を決める会議当日には実教出版日本史教科書の採択希望校は「なかった」とされた。一方で神奈川県教委は、実教出版の日本史教科書を採択希望し続ける場合は校名公表もありえるとし、その際には右翼など外部団体からの攻撃が予想されるという脅しをかけて、採択変更を迫ったことが指摘されている。
 変更を強要された学校では、神奈川県教員は「全ての学校で教職員と協議した」と強弁したが、実際には「担当教員がそろわないまま教科書が変更された」とする教職員の証言もあったという。
 この教科書は文部科学省の検定時ですら、当初案では「説明不足」と意見がつき、より強い表現に改められて検定を通過したという指摘もある。

 そもそも、検定でこの記述にするよう指導したのは、文科省だ。検定前は、国旗国歌法について「政府は国民に国旗掲揚、国歌斉唱を強制するものではないことを国会審議で明らかにした」と記し、続けて「しかし、現実はそうなっていない」と記述されていた。この部分を文科省が「説明不足」と指摘したため、実教出版が改めた。
(東京新聞2013年8月21日『神奈川教委採択せず 「国旗・国歌強制」記述の教科書』)

 検定済みの教科書にクレームを付けて排除するのは、普段「政府・文部科学省が作成した学習指導要領」を盾にして、日の丸・君が代強制を実施している態度と比較すれば、ダブルスタンダードであろう。
 そもそも「強制」という記述は、事実に即しているものである。神奈川県教委をはじめ、東京都や大阪府などでは、職務命令なども含めた強制がおこなわれている。君が代不起立の教師が、故意の暴力(いわゆる「体罰」)で生徒に大ケガをさせた教師よりも重い懲戒処分が下っていることもある。それを「強制」以外にどう表現しろというのだろうか。
 都合の悪いことを書かれている教科書だからといって、自分たちの不適切態度を改めることなく、逆に教科書の記述を敵視して排除するようなことは、決して許されることではない。
(参考)
◎「強制」記述教科書採択されず(NHKニュース 2013/8/20)
◎国旗・国歌「強制」記述教科書 神奈川県教委採択せず(産経新聞 2013/8/20)
◎神奈川教委採択せず 「国旗・国歌強制」記述の教科書(東京新聞 2013/8/21)
◎実教出版の日本史教科書排除 神奈川 県教委が不当性認めず 「県民の会」が抗議文(しんぶん赤旗 2013/8/21)