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児童虐待通報で警察官が不適切対応:大阪

 児童虐待を疑って3歳児を保護して交番に連れて行った女性に対し、大阪府警東淀川署員が児童の母親の前でこの女性の個人情報を聞き出していたことがわかった。6月14日付で複数のメディアが報じている。この事案発生後、小学生とみられる見知らぬ児童が女性の自宅を来訪し「誘拐」などと発言するなどしたという。

 事件があったのは2013年4月18日夕方4時過ぎ。この女性が大阪市東淀川区内の公園で自分の子どもを遊ばせていたところ、公園で見知らぬ女児が長時間一人で遊んでいて、大声で泣いているのに気づいた。女児の服装も、季節外れの汚れたセーターを着ていたり汗の匂いも強く、また体にあざがあるなどしていたため、女性は児童虐待・ネグレクトを疑い、児童虐待ホットラインに通報した。
 ホットライン経由で応対した大阪市子どもセンターの担当者は「現場に行くには時間が掛かる」として、女性に対して近くの交番に向かうよう指示した。
 女性は女児を連れて交番に向かった。しかし警察官は不在で、女性は交番から東淀川署本署に通報して警察官の到着を待っていた。
 その時、女児を探していた母親が交番前を通りかかり、女児に気づいて交番内に入ったという。警察官2人はその直後に交番に到着した。
 警察官は、虐待疑いでの通報であることを把握し、通報者の女性と母親が同じ場所にいるのを知りながら、別室に離して事情を聞くなどの配慮をせず、女性に対して母親の前で氏名や連絡先などの個人情報を話すよう求めた。
 女性は抵抗したものの、警察官が高圧的だったとしてやむなく話さざるを得なくなったという。
 当日夜、女性宅に見知らぬ小学生くらいの子どもが訪問し、「女の子をどうしたんですか。誘拐ですよ」などとまくし立てられるという不審な出来事も起きたという。
 児童虐待の通報としても、また警察官の職務としても、基本を踏まえていないのではないか。
 児童虐待問題では、報復を恐れて通報できないとか、通報した人が加害者側にバレて報復されたなどの事例もいくつも聞かれている。例えば兵庫県三木市では、学校から虐待通報をおこなった際、加害者の父親に「虐待判断を行ったのは養護教諭」と漏れて、当該養護教諭は父親から付け回され、養護教諭は恐怖感から体調を崩して休職・自殺に追い込まれた事件が発生している。
 また虐待通報に限らず、企業等での内部告発がバレて報復で解雇やパワハラを受けたり、 事件加害者が通報者に逆恨みして報復での暴力や殺人事件などを起こした事例も過去にはいくつもあった。個人情報が相手方に漏れることで報復されるのではないかという被害者の不安は当然である。
 今回は実際に、見知らぬ小学生が自宅を訪問して、通報のことを指していると思われる文句を言われる出来事が発生している。これだけで済んだので大したことがないととらえるのなら、とんでもないことである。一歩間違えれば通報者の心身の安全に関わるような事件にもなりかねない。
 そういうことを考えると、通報者保護がされない状況は、極めて危険である。
(参考)
◎配慮欠いてる! 虐待疑われる子供を保護した女性、警官が母親の前で個人情報を聴き取り(産経新聞 2013/6/14)
◎通報女性に不適切な聴取 大阪府警が謝罪(大阪府)(日本テレビ 2013/6/14)