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生徒への嫌がらせ相次ぐ:桜宮高校

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 「体罰」自殺事件が発生した大阪市立桜宮高校で、生徒への心ない嫌がらせが相次いでいることを、『しんぶん赤旗』2013年1月24日付が報じている。

 記事によると、以下のような被害が報告されている。

 生徒が街で体罰問題の責任を問われるような罵声を浴びたり、自転車置き場で同校ステッカーを貼った自転車のサドルが抜かれるなどの嫌がらせが相次いでいるといいます。生徒がバスに乗っていて男性から「降りろ」といわれたケースも。
 同区にある全く別の市立校である桜宮中学校にも非難の電話がかかっており、生徒が因縁をつけられる事例も出ているといいます。
 加えて桜宮高校生徒へのインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷はとどまるところを知りません。
(しんぶん赤旗2013年1月24日『桜宮高校生徒に嫌がらせ 罵声や自転車被害…保護者ら危惧の声』)

 被害にあった生徒が悪いとでも言いたげなこの手の嫌がらせは、決して許されることではない。事件に便乗して騒ぎたいだけの者がいるという側面に加え、暴力・「体罰」擁護論からの形を変えた嫌がらせではないのだろうかと感じる。
 これらの嫌がらせのせいで、嫌がらせにあった生徒やその保護者が怒りの矛先を「自殺した生徒が悪い」「騒ぐ家族やマスコミが悪い」という誤った方向に持って行っていってしまい、被害者中傷に転じる人が出てしまいかねないことを強く危惧する。非がないのに中傷されている生徒の心情を考えると言葉もないが、万が一そういう方向に陥ってしまえば、加害者側や「体罰」肯定・推進派の思う壺になってしまう。
 『赤旗』記事では中傷について、橋下徹大阪市長の一連の発言の影響を指摘している。

 橋下徹市長が、一人ひとり違う生徒の置かれた状況や「意識」についてまるごと決め付けるような発言を繰り返し、「『自分は違った』は許されない」「当事者意識を」などと生徒側の責任を強調していることによる影響は否定できません。

 「体罰」問題という本質的な問題点には目を向けず、問題の発端となった加害者の行為はまるでどこかに飛んでしまったかのように、学校自体を「悪の組織」かのように決めつけて中傷する橋下徹という人の存在が、入試中止だの教職員総入れ替えだの部活動無期限停止だのと新たな問題を巻き起こして撹乱させ、影を落としていることは否めない。
 橋下市長はもともと「体罰」容認派というか積極的推進派であり、容認の姿勢そのものは今でも変えていない。ただ、かねてから教育介入の機会を狙っていたことや、事件への世論の反響が大きかったこともあり、事件を政治利用して表向き「体罰」反対のポーズを取りながら、実際は「体罰」事件そのものには正面から向き合わず、学校や教育行政に介入するだけに悪用した。これでは「体罰」やその他不祥事被害を訴えると学校が潰されるとばかりに、余計に訴えられなくなるのではないか。
 生徒・保護者の中にも、暴力・「体罰」を積極的に容認し、被害者を中傷する立場の者がいるのかもしれない。ただ、桜宮高校の関係者が全員そうだというわけではない。
 1月21日の桜宮高校生徒の記者会見は、暴力や「体罰」は必要だと思い込まされていたり、「体罰」被害に遭ったり目撃しても訴える場がないと思い込まされていても、きっかけさえあれば「体罰」の間違いに気づくことができるし、声を上げることもできることを示唆しているのではないだろうか。
 もともとの問題は、顧問教諭の「体罰」・暴力である。顧問教諭の起こした暴力事件の全容を解明するとともに、他校も含めて似たようなことが起きていないか調査し再発防止策を図る必要がある。この問題は決して桜宮高校の体質だけに矮小化されるべきではないし、見せしめ的に入試を中止させることで解決するような問題ではない。
 「体罰」をなくしていく、また万が一被害にあっても被害を訴え調査できるような機関や被害者へのケアをおこなう機関が機能している、そういう方向でこその改善が必要である.