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やっぱり出た「体罰」加害教師擁護論

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 産経新聞が『体罰顧問は土下座した…涙して擁護するOBもいる桜宮バスケ部顧問の「素顔」』という記事(2013年1月19日)を出している。

 中身は、生徒を自殺に追いやった大阪市立桜宮高校バスケットボール部顧問教諭について取材したところ、OBや保護者から「体罰は愛情の裏返し」「マスコミは真実ではないことを書く」などと擁護する声が聞かれたことを紹介している。
 「生徒が亡くなったので全面的に擁護はできない。でも、体罰の裏側には愛情があった。先生が暴力教師のように報道されていることに納得がいかない」(OB)、「先生にたたかれたときは、練習に身が入っていないなど自分自身に問題があった。先生からはフォローもあり、うまくいったときには『おめでとう』『ようやった』と声をかけてくれた」(OB)、「下級生は決してたたかず、上級生をたたいていた。気合をいれるためだと理解している」(保護者)という声が紹介されている。さらにOBや保護者の間では、嘆願書の動きもあるという。
 正直いって読むに耐えなかった。教師やスポーツ系部活動の指導者の暴力が表面化する時に現れる、この手の擁護はいわば「定番」の使い古されたパターンだとはいえども、改めて愕然とする。
 「体罰」や暴力をまるで「正当な指導」かのように思わされている、マインドコントロールの実態が浮かび上がる。記事では教育評論家の尾木直樹氏が「体罰をありがたがっている卒業生もいるようだが、それは、私は、人格をゆがめて卒業してしまっているのだと思う」と指摘しているが、全くそのとおりだと感じる。
 そしてこの手の擁護は、「問題がないのに問題視して騒ぐ被害者やその関係者が悪い。また尻馬に乗って、自分たちにとって気に入らない報道をするマスコミも悪い」という形で、被害者攻撃へと転化していく。過去にも同じようなパターンが多くみられた。
 一例をあげると、2007年に広島県の「サッカー強豪校」の県立高校サッカー部顧問教諭の「体罰」事件。詳細はリンク先(当ブログ2007年6月9日『広島皆実高校サッカー部「体罰」事件、加害者擁護の動きも』)にあるが、この事件でも暴行を正当化し、「騒ぐ被害者が悪い」かのような嘆願書が、OBを中心に出されたという。この事件での教諭擁護側の主張は、今回の桜宮高校のOB・保護者の主張とも共通している。
 こういう悪弊は、今すぐにでも断ち切らなければいけない。そのためには、事実関係を徹底的に解明した上で教訓化し、また一切の「体罰」や擁護論・被害者への責任転嫁などをを許さないという風潮を作っていき、暴力での「指導」をおかしいと感じる人を増やしていくことが必要ではないだろうか。