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高校無償化の見直しは妥当…なのか?

 読売新聞2012年12月30日付社説『教育政策 高校無償化の見直しは妥当だ』に目が止まった。

 安倍内閣の教育分野での政策に関連して、同紙が高校無償化見直しを支持する社説を書いている。当該部分を抜き出してみる。

 高校無償化に関しては、下村文科相が、2014年度以降、制度を見直し、対象に所得制限を設ける方針を明らかにしている。
 高校無償化は「社会全体で子供を育てる」という理念を掲げた民主党政権の目玉政策の一つだった。だが、家計に余裕のある層まで一律に対象としたため、「ばらまき」との批判が根強かった。
 高校生は授業料以外にも学用品購入費などの負担が多い。所得制限によって無償化の対象を絞り込むことで財源を捻出し、低所得者層の支援に活用するという安倍政権の考え方は理解できる。
(読売新聞2012年12月30日付『教育政策 高校無償化の見直しは妥当だ』より一部引用)

 この論調には賛同できない。高校無償化は「ばらまき」に矮小化されるべき施策ではない。
 高校無償化をはじめとした学費・教育費用の問題は、経済的に余裕のない人、もしくは今は余裕があっても不慮の事故などで余裕をなくした人への「救済策」という話ではない。すべての生徒が経済的な心配なく学べ、社会に還元していくという学習権の問題である。
 また国際的にも、中等・高等教育の段階的無償化を定めた国際人権規約A規約が国連で採択され、無償化は世界的な流れとなっている。無償化を定めた条項(13条)について日本は長年留保し続けてきたが、2012年に留保が撤回されている。高校無償化の適用に所得制限を加えることは、現行制度の後退に加えて、国際的な流れにも逆行することになるのではないか。
 「高校生は授業料以外にも学用品購入費などの負担が多い」というのはその通りである。しかし、財源を捻出するために対象を絞り込むのは本末転倒だといえる。他の分野での無駄遣いを整理する中で無償化を維持した上、教科書や学用品代などにも無償化の対象を広げる道筋を作っていくことが必要なのではないだろうか。