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大阪市、来年度の教育予算固める

 大阪市教育委員会は12月20日、2013年度の教育関連予算で、橋下徹市長肝いりの事業予算約11億円を計上する方針を固めた。

 優れた教員に予算を手厚く配分する事業や、学校運営に対する校長の優れた提案に対して予算を手厚く配分する事業、英語教育の強化などがあげられている。また「西成特区構想」の枠で、西成区内の中学校1校で、学習塾の講師が放課後の学校で有料授業をおこなう「補習スペシャル」を導入するための予算をつけるとした。

 しかしいずれも、子どもや学校教育にとっては何のメリットももたらさないどころか、逆に有害である。

 優れた教員や学校に予算を手厚く配分するといっても、それを判断するのは誰なのだろうか。またそもそも教育実践という取り組み自体、ひとつの尺度や目に見える「成果」で優劣を一律的に判断できるものではない。結局、行政側が気に入るような取り組みをした教師や学校に予算が手厚く配分されることになり、学校間・教師間の競争や足の引っ張り合いなどが生まれるだけではないだろうか。

 英語教育についても、橋下市長はツイッターで「国の英語教育が悪いから自分は英語を話せない」などと悪態をついていた。普段自己責任を声高に言い立てる人がこういう時だけ責任転嫁するのも滑稽で、それこそ「大人向けの英語教材も比較的安価で入手できるし、英語教室もそれなりにあるのだから努力すれば」と言いたくもなるが、それは横においても、英語教育を「英語が話せる」に矮小化しているのも教育論としてはレベルの低い話である。

 また西成区での「補習スペシャル」についても疑問を感じる。塾による補習授業は、東京都杉並区の中学校での取り組みが知られるが、民間業者に丸投げする施策でしかない。すでに西成特区構想の一環として打ち出されて不評だった「学習塾バウチャー」にしても今回の補習塾にしても、実施する業者は自分たちが儲かるのでいいのだろうが、公教育を充実させる責務がある行政にとっては責任放棄ではないか。

 また「西成特区構想」自体が「構想では、西成区全域と区内のごく一部の地域にすぎないあいりん地区を同一視している。これはおかしい」「あいりん地区の問題は国や府・市といった広域的な問題がたまたま集中して現れている側面があるしどの地域でも多かれ少なかれ似たようなことは起こりうるので、区だけに押し付けず広域的に取り組むべき」「ただでさえマスコミなどから西成区とあいりん地区とを同一視されて悪いイメージを振りまかれて困っているのに、特区を強調することで風評被害が強まって嫌な思いをしている」など,住民からは不評のものである。(参考

 一部報道では、「補習スペシャル」の実施校は鶴見橋中学校と名前が出ている。この学校は旧「同和教育推進校」でもある。旧「同和教育推進校」では、部落解放同盟主導の誤った差別主義的な運動の影響のもと、同和地区在住とされる生徒に対してのみ、小中学校の教員が特別に補習授業をおこなう「促進学級」なども取り組まれてきた。しかし公教育全体の底上げを図らず、また児童・生徒個人に学習上の特別な配慮をおこなう必要があるわけではなく、住所で機械的に区切って「対象者」とし、全く合理的な理由もないのに特別な措置を図ること自体が同和利権であり差別の温存・固定化・再生産につながるとして廃止された過去もある。これでは形を変えた同和利権の復活ではないだろうか。