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子どもを追い詰める「子どものいじめ防止条例案」

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 滋賀県大津市立皇子山中学校のいじめ自殺事件を受け、大津市議会の主要会派が、いじめを発見した子どもに学校などへの相談義務を課す「子どものいじめ防止条例案」をまとめた。一方で子どもに義務を課すことで子どもを追い詰めかねないなどとして有識者から危惧の声が上がり、日本共産党は同条項を理由に反対の意向を表明した。

 条例案では子どもの役割として、「いじめを発見した場合(疑いも含む)及び友達から相談を受けた場合は家族、学校に相談する」という条文が入っているという。
 一方で、教育評論家の尾木直樹氏は、毎日新聞の取材に対して以下のように答えている。

 条例で子どもの行動を規定するのは強者の論理で、それ自体がいじめだ。子どもは、いじめを止められなかったことに悩み、自責の念を持つのに、子どもの立場が全く分かっていない。いじめの防止は教師をはじめ大人や社会の責任であり、発達段階の子どもを同列に扱うべきではない。(毎日新聞2012年9月14日『大津市議会:いじめ防止に「子どもの役割」条例案』)

 全く同感である。子どもに条例で義務を課すことで、子どもを追い詰めていき、また大人や社会の責任をあいまいにしていくことになる。実際に皇子山中学校のいじめ自殺事件では、何の反省もない加害生徒や加害者をかばい立てて更生の機会を逃した学校や加害者保護者はともかく、同級生の生徒は「自殺した生徒へのいじめを止められなかった」と深い後悔と自責の念を持っっていることが報道を通じて伝わってくる。
 このような条例では、ただでさえ同級生を救えなかったと苦しんでいる生徒たちをさらに苦しめるだけではないか。条例案を制定するにしても、同条項は根本的に考えなおすべきである。