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学校協議会にいじめ当事者への事情聴取権:大阪市

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 大阪市は市立学校約510校各校に新設される「学校協議会」に、学校でいじめがあった際、当事者の児童・生徒に事情聴取する権限を与える方針を決めた。

 橋下徹大阪市長はそれに賛意を示した上で、「重大ないじめには学校協議会が弁護士を雇って第三者調査チームをつくればいい」などと発言した。
 一見するとよさそうに見えるのかもしれない。しかしよく考えてみると、危険な点がある。いじめが全国的に社会問題化し、いじめ問題に対する学校・教育委員会の隠蔽体質への批判を逆手に取った、人気取りのための大衆迎合政策・ポピュリズムだといえるだろう。
 まず簡単に事情を聴くと一言で言っても、いじめ問題は慎重で迅速な判断と対応が必要になる。これにはいじめ問題に関する高い理論的知見やスキルが必要になってくる。専門家のはずの教員でも対応に苦慮するもとで、保護者や地域団体代表などの就任が想定されている学校協議会の委員が軽率な対応を取り、関係者の子どもを傷つけたり、事態をこじらせることも考えられる。
 また学校協議会はそもそも、教育の自主性を制限し上からの介入を容易にする「市立学校活性化条例」に基づき、校長や教育行政の意に添って学校運営を補助する目的で設置されたものである。いじめ問題は現行制度でも、学校にとって不都合として隠蔽される傾向がある。
 もともと学校の補助機関である学校協議会が第三者機関として対応するのは幻想であり、これまで学校や教育委員会がおこなってきた隠蔽の代行を学校協議会が果たす恐れが高い。また学校協議会も保護者代表や地域団体代表からなり、地域の有力者ぐるみでいじめ隠蔽や被害者中傷の風潮を強めることにもなりかねない。
(参考)
◎学校協議会にいじめ当事者聴取権…大阪市教委(読売新聞 2012/9/11)
◎いじめ調査に弁護士費用計上…橋下市長が方針(読売新聞 2012/9/11)