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栃木いじめ自殺訴訟:控訴審口頭弁論

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 栃木県鹿沼市で1999年11月、当時鹿沼市立北犬飼中学校3年生だった男子生徒がいじめを苦にして自殺した事件がありました。

 この事件では、亡くなった生徒の遺族が加害者や栃木県・鹿沼市を相手取って訴訟を起こしていました。しかし、1審宇都宮地裁がいじめと自殺との因果関係を認めなかった(2005年9月)として、控訴審が東京高裁で審理されています。

 1月30日に開かれた東京高裁での第1回口頭弁論で、裁判長が「自殺の原因を進学問題と結び付けた判決は唐突」などと、1審判決を疑問視する言及をおこなったということです。

■ 「いじめ定義に大きな誤解」 いじめ訴訟控訴審(『下野新聞』2006/1/31)

 鹿沼市北犬飼中三年の臼井丈人(たけひと)君=当時(15)=が一九九九年十一月、自宅で自殺した問題で、宇都宮地裁が県や同市、加害者側に慰謝料二百四十万円の支払いを命じた訴訟の控訴審第一回口頭弁論が三十日、東京高裁(江見弘武裁判長)で開かれた。

 原告で臼井君の両親側が控訴趣意書で「原審はいじめの定義に誤解がある」などと主張したことを受け、江見裁判長は「自殺の原因を進学問題と結び付けた判決は唐突」と、一審判決に疑問を投げ掛ける異例の言及をした。

 同地裁は判決で、「加害生徒の行為は悪ふざけの域を超え、いじめに当たることは明らか」などと認定。自殺との因果関係については「臼井君は進学への意欲と生きる意欲を失い自殺したと認めるのが相当」と否定していた。

 控訴審で原告側は一審判決を「加害生徒の行為のみをいじめと限定している」と主張。「進学をめぐる丈人や教諭らの発言の矛盾を突き詰めていない。実態に全く踏み込まず、不当な結論を導き出した」と批判した。

 私も1審判決には大きな疑問を感じていました。加害者の行為は明らかないじめであり、またいじめと自殺との間に強い因果関係があるとみるのが相当だといえます。それなのに、いじめと自殺との因果関係を否定した1審判決は、理解に苦しむものでした。

 裁判長が1審判決に疑問を呈したことで、控訴審判決でいじめと自殺との因果関係が認定され、また自殺した生徒の名誉が回復される可能性も出てきたともいえます。加害者や県・市は、自己保身や責任逃れともとれるような態度に終始するのではなく、いじめと自殺との因果関係を早期に認めるべきだと考えます。