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東日本大震災:心のケアによる二次被害防止訴え

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 東日本大震災の支援活動について、日本心理臨床学会の支援活動委員会は6月9日、心のケアの進め方に慎重を期すよう訴える指針をまとめました。

 同学会の特設サイト『東北地方太平洋沖地震と心のケア』内『心のケアによる二次被害防止ガイドライン』(pdfファイル)で紹介されています。
 心のケアについては「被災した方に負担や二次的な被害を与えないこと」という前提を提示した上で、「1 ケアは継続できる人が行ってください」「2 安心感・信頼感のない関係性で被災体験を表現させないでください」「3 フォローアップのないアンケートは行わないでください」と指摘しています。
 継続的な支援ができない人による単発的な支援や、調査のための調査をおこなってトラウマを呼び起こしてあとのケアはないというような不適切調査などはしないように訴えています。
 また支援者との信頼関係の未構築など、安全感や安心感のない元で表現活動によるケアをおこなおうとすることが有害となるおそれについても指摘しています。

『心のケアによる二次被害防止ガイドライン』より
支援の中で表現活動を用いる際には、子どもたちがぎりぎりで制御している怒りや不安を噴き出させないように慎重な配慮をしてください。水彩絵の具など未分化な感情の表出を促進する画材の使用には特に注意してください。制御できない強い感情に翻弄された体験は、子どもたちの安全感を損ないます。辛い記憶を抱えていても自分で自由に安心の場に帰ってこれるという感覚を取り戻すことが、トラウマからの回復の重要な要素です。

 絵を描くことで回復への援助につながるとして、個人やNPO団体などがその分野での被災者支援に取り組むために被災地入りする例も相次いでいるということです。絵による支援自体は適切にすれば効果をもたらすことが考えられる一方で、やり方を誤れば逆効果になる危険性も考えられ、慎重にすすめていく必要があるといえるのではないでしょうか。
(参考)
◎「アートセラピー」かえって心の傷深くなる場合も(朝日新聞 2011/6/10)