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「日の丸・君が代」の強制は違憲とした訴訟:東京都が控訴

 学校現場で教職員に「日の丸・君が代」を職務命令で一方的に強制し、従わない場合には懲戒処分にするという東京都のやり方が違憲と判断された東京地裁判決に対して、東京都と都教委は9月29日に判決を不服として控訴したということです。
 東京都が控訴を強行したことは、誤りを積み重ねることであり、強く抗議したいと思います。また2審でも法の概念や一般常識にのっとった、良心的な判決が出ることを強く期待します。

 東京都が「日の丸・君が代」に対して強硬な態度をとる理由として、学習指導要領を根拠にしているようです。しかし以下のことを考慮すると、東京都の主張はこじつけだと判断せざるを得ません。

  • 学習指導要領に法的拘束性があるのかどうかについては、「法的拘束性がある」「目安を示した大綱にすぎない」と、専門家の間でも意見が大きく分かれています。
  • 学習指導要領に法的拘束性があると考えたとしても、「日の丸・君が代」の強要は、「思想信条・内心の自由」を明記した日本国憲法と整合がとれなくなります。日本国憲法の趣旨に反する法律は、理論的にはそういった法律自体が違憲・無効になります。
  • 「日の丸・君が代」の強要は、「強要するのは望ましくない」としている、国旗国歌法制定時の政府見解すら無視するものです。
  • 学習指導要領では特別活動の指導計画として「生徒による自主的,実践的な活動が助長されるようにする(高等学校学習指導要領)」としています。学習指導要領で特別活動に位置づけられている入学式や卒業式のやり方を、特定の型にはめた上「日の丸・君が代」を強要することは、学習指導要領の趣旨にも反します。

 東京都では「日の丸・君が代」の強要の結果、都立高校の社会科教師が日本国憲法について説明したことが「日の丸・君が代に関する不適切指導」として厳重注意処分を受けるという、とんでもない例すら生まれています〔『しんぶん赤旗』2006/6/10〕。また東京都では、生徒が自らの意思で不起立を選んだとしても、教師が「不適切な指導」で処分されかねないということすら生まれています。
 複数の調査では、日の丸・君が代への立場の違いを超えて、多くの人が強制は望ましくないと考えているという結果も出ています。〔当ブログ2005/6/29〕〔当ブログ2005/6/7
 また処分された教員は、実力で式を妨害するなどの行為をしたというわけでもありません。憲法や諸法規・学習指導要領に従って、平穏に教育活動をすすめただけで処分されるというのも、おかしな話です。
 法律や世論を無視して「日の丸・君が代」を乱暴なやり方で強要する東京都のやり方は、反民主主義的だといわざるを得ないものです。