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深夜に練習試合させる:中学校バレー部合宿

 高知県でおこなわれた、中学校数校の女子バレーボール部の合同合宿で、3校の顧問教諭5人が、深夜11時~1時にかけて生徒らに練習試合をさせていたことが分かりました。

 事実関係は、おおよそ以下の通りだということです。

 合同合宿は2006年8月4~8日に高知県香美市の香北青少年の家で開催された。高知県内の中学校7校と高知県外の中学校2校の女子バレーボール部が参加。練習は午後5時までにしていた。

 四万十市立A中学校の顧問2人と、高知県外B中学校の中学校顧問2人が8月6日夜の食事の際、「昼の練習が物足りなかった」という話になって意気投合。寝ていた生徒をたたき起こして練習試合をさせた。

 両校が練習試合をすることを知った高知市立C中学校の顧問も、生徒らとともに練習試合に参加。深夜11時頃から1時頃まで、顧問5人の指導のもとで3校の生徒らが練習試合をおこなった。

 顧問5人は全員、当時は飲酒していたという。

 顧問らは「やめようとも呼びかけたが、生徒の意見を聞き、生徒から要望があったのでおこなった」と釈明しているという。その一方で生徒らは、「何かの罰かと思った」と話すなど半強制的に仕方なく参加させられたと感じているともいう。

 またこの事件とは別に、8月4日夜にも、先述の四万十市立A中学校と高知市立D中学校(8月6日の練習試合に参加した学校とは別の学校)の2校が、深夜にトレーニングをおこなわせていたたという。

 高知県教育委員会に8月8日、匿名のメールが届いて発覚。該当校では保護者会を開催して謝罪したというが、高知県教委が引き続き詳細な事実関係を調査中。県教委は、関与した教諭の処分も検討しているという。

(参考資料)『高知新聞』2006年8月30日付・『時事通信』2006年8月30日配信記事・『毎日新聞』(高知版)2006年8月31日付。

 深夜に練習試合をさせるという発想自体が、常軌を逸した異常なものです。スポーツ科学や健康科学などの知見を無視した、いわば根性主義的なものが根底にあるために、このような社会通念上非常識な行為におよんだと考えて差し支えないと思われます。
 幸いにして生徒らに健康被害などの重大な事態は起きませんでしたが、だからといってこのような非常識な指導がまかり通るのは許されることではありません。

 このような指導は「熱血指導」とは間違ってもいえません。逆に、虐待や「体罰」・人権侵害などと見なされても仕方のないようなものです。

 高知県教育委員会はこの事件について「部活動の行き過ぎた指導は、学校教育法で禁止されている体罰ととらえられても仕方がない行為。生徒の健康安全を守る義務のある教育公務員として到底許されない」というコメントを出したということですが、高知県教委の見解は正しいものだと考えて支持したいと思います。

 今回の関与した教諭の処分については高知県教委の判断にゆだねられるでしょうが、少なくとも「この教諭ら個人だけの問題」に矮小化させてはいけません。

 部活動での非常識な指導は、学校種別や競技種別を問わずに多くのところでまかり通っているのが現状です。この事件を契機のひとつとして、部活動での非常識な指導を速やかに廃止していくことが強く求められます。

 また部活動に関する非常識な指導が表面化した際には、加害者側を擁護し「熱血指導を問題視するのが悪い」かのように事実関係をすり替えて、被害者や被害者の関係者・支持者、教育委員会・マスコミ報道などを攻撃するものも現れます。しかしそういったものは、一言で言うと「逆恨み」に過ぎません。感情的な逆恨みではなく、事実関係を直視して、指導の抜本的改善につなげる科学的・客観的な態度が強く求められるといえるでしょう。