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学校の柔道事故論じる記事:AFP通信が世界に配信

 AFP通信(フランス)が『中学校での武道必修化、子どもの柔道事故に懸念』とする記事を発表しています。

 同記事は、2011年1月2日付で『Judo deaths alarm Japanese parents』のタイトルで、英語で世界に発信されました。日本語に翻訳された内容は1月9日付で掲載されています。
 柔道事故被害者の関係者や、柔道事故を研究する愛知教育大学の内田良講師、柔道団体関係者への取材をもとに、問題点をまとめています。
 内田講師の調査によると、1983年以降の27年間で少なくとも110人が、学校での柔道事故で死亡しています。また全日本柔道連盟の調査でも、2009年までの6年間に死亡事例を含む重大事故56件を把握しているということです。
 事故の背景には安全への配慮不足などがあることが指摘され、2012年度以降の中学校体育での武道必修化での事故増加が懸念されています。
 一方で全日本柔道連盟関係者は「いじめまがいの練習を正当化するような考え方をする柔道指導者はいない」とする見解を示したということです。
 もちろん、「いじめまがいの練習」を否定し、科学的見地をもとに生徒の安全対策に気を配りながら指導する良心的な指導者もある程度の比率でいるでしょう(統計などがあるわけではないので具体的な比率は不明ですが)。
 しかし一方で、実際に発生した柔道事故の例を見てみると、「いじめまがいの練習を正当化するような」指導をおこなった結果重大事故につながったとしか考えられないようなものも多くありました。
 例え滋賀県秦荘中学校事件(2009年7月)や横浜市立奈良中学校事件(2004年12月)では、指導教員が被害生徒に「練習」を装ったリンチを加えた結果の事故とも見なせるものでした。また神戸市立御影中学校熱中症死亡事件(2005年)でも、顧問は練習中に体調不良の兆候を示した部員に練習を続けさせた上、生徒に対して「気合いが入っていない」として正座させた上に平手打ちを加えました。
 こういう事例を見れば、「いじめまがいの練習を正当化するような考え方をする柔道指導者はいない」という主張はただの願望なのかという疑いを持たざるを得ません。
 ただの願望ではなく、本当の意味で「いじめまがいの練習を正当化するような考え方をする柔道指導者はいない」と言えるような状況を作っていかなければなりません。そのためには、科学的見地に基づいて安全対策を徹底していくことが重要になります。