山形マット死事件:加害者とされた生徒側が再審請求

 山形県新庄市立明倫中学校で1993年、男子生徒が体育館のマットの中から遺体で見つかった事件で、加害者とされた生徒7人が保護観察処分を受けたことについて、生徒側の支援団体が年明けにも「生徒は無実」として処分取り消しを求めて再審請求を求める方針を決めたと報じられています。

 この事件では、加害者とされた生徒のグループから、被害生徒に対するいじめがあったと指摘されています。教育雑誌の取材によると、事件後被害生徒の家族に対して地域ぐるみでの中傷があり、被害生徒の自宅の壁に落書きされた、加害者とされた生徒の身内の子どもたちが被害生徒のきょうだいを取り囲み「(生徒が)殺されてうれしいか」などと暴言を吐いた、地域住民へのインタビューで「被害者家族が悪い」とするような声が聞かれたなども指摘されています。
 一方で初動捜査の体制に問題があったことで、司法判断が二転三転する要因となり、冤罪説が浮上する根拠ともなったとも指摘されています。
 処分についても、当初は一部生徒について不処分が決定したものの、のちに7人全員への処分が確定しています。
 死亡した生徒の遺族が起こした民事訴訟では、一審で遺族側の請求が棄却されましたが、二審仙台高裁で7人の関与を認めて損害賠償を命じる逆転判決が出されました。加害者とされた生徒側は上告しましたが、最高裁も二審判決を支持する判決が確定しています。
 加害者とされた生徒が関与していたのかどうかはともかく、少なくとも被害生徒が自ら入っていった事故とは考えにくいことです。
 法律上の理論的な話では再審請求そのものは手続き上ありえるのかもしれません。しかしこれまでの展開から、再審請求が死亡した生徒や関係者を中傷するような形ですすめられる可能性もあり、気がかりです。
(参考)
◎明倫中マット死事件、来年にも再審請求 支援の会方針(朝日新聞・山形版 2010/12/6)