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大阪市西区ネグレクト死亡事件:複数の住民気づきながらも通報できず?

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 大阪市西区の児童ネグレクト死亡事件について、『朝日新聞』によると、「多くの住民が異変に気づきながら、児童相談所(児相)に通報したのは1人だけだった」と報じられています。

 『朝日新聞』2010年8月3日付『「気分害されたら嫌」 虐待通報1人だけ 大阪2児遺棄』では、事件現場の近隣住民に取材した結果を紹介しています。
 同紙によると、2010年5月頃に子どもの泣き声に気づいて虐待かもしれないと疑いながら、間違いだった場合を恐れ、また連絡先がわからなかったとして通報できなかったと話す住民がいました。
 また別の住民も、夜泣きにしては激しいと不審に思いながらも、泣き声の聞こえる方向が特定できなかったなどとして通報できなかったといいます。
 2009年、今回の事件現場から北西に約6キロ離れた大阪市西淀川区で発生した児童虐待死事件でも、周辺住民が異変に気づきながら児童相談所などに通報できなかったことが指摘されました。児童虐待防止法では虐待に気づいた人に通報の義務がありますが、実際には一般住民にとっての通報判断の難しさが指摘され、虐待に気づいたら通報しやすくする体制を構築することが行政や専門家にとっての課題となりました。
 大阪市では西淀川区の事件を受けて一般住民からの通報件数も前年比1.8倍に増え、また行政も職員を増員するなどしたとはいえども、西区の事件で同じような問題が指摘されてしまったことについては、まだまだ対策が追いついていないことを示しています。
 通報できなかった住民を責めればよいというような単純なものではありません。現行のシステムが不十分だという社会全体の問題として、虐待を発見した際には通報しやすい体制を構築していく必要があります。
 専門家によると、「虐待かどうかの判断は専門家がする。間違っていても通報者が責任を感じる必要はない」(大阪市のNPO法人「児童虐待防止協会」相談員の談話。朝日新聞より)ということです。またマンションなどで発生した事件の場合、管理組合・管理会社などに情報が寄せられることもありますが、管理組合などが情報を把握した際の通報体制の構築も指摘されています。
 児童虐待の兆候に気づいた場合、速やかに通報できるような風潮が進むことを強く願います。