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「事実確認面接」性的虐待被害の正確な把握図る

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 『中日新聞』2010年6月24日付では「虐待を正確に把握 『事実確認面接』採り入れ 滋賀県内2カ所の児童相談所」という記事が掲載されています。

 滋賀県内の児童相談所で一時保護された児童のうち、性的虐待を受けた疑いがある児童に対して、被害を客観的に聴き取るための面接だということです。
 子どもが自発的に話せるような中立的な問いかけをし、誘導のような質問にならないよう細心の注意を払うということです。また子どもの了解を得た上でやりとりを録画・録音し、児童が何度も同じ事情聴取を受けないようする配慮もおこなっています。
 性的虐待では、加害行為によるショックや加害者による脅しなどで被害児童が「自分が悪い」と思いこまされて話せない傾向があるといいます。
 また事件が発覚しても聞き取り方法が適切ではないため、被害児童が関係機関で何度も被害を話すことになって混乱したり、精神的後遺症を悪化させる事例もあります。また被害者の混乱に乗じて、加害者側が「誘導によるでっちあげ」などと居直り、事実関係そのものをなかったことにしようと画策し、あたかも「自分こそが被害者」かのように振る舞うなどの例すらあります。

 例えば、千葉県浦安市立小学校で2003年に発生し浦安事件――養護学級担任が受け持ちクラスの知的障害児に暴行や性的虐待を繰り返した事件――では、初動の聞き取り方法に課題が残ったことが指摘されています。被害者は聞き取りや裁判での証言の中でパニック状態になり精神症状を悪化させました。
 加害者側は被害者の混乱をつく形で居直り、被害者の証言は信用できないと攻撃しました。この事件では結果的に、刑事裁判では犯行の存在自体は事実と示唆しながらも、刑事事件として立件された事件については「日時と場所が特定できない」として無罪にしてしまいました。一方で民事訴訟では犯行を明確に認定し、賠償を命じる判決が2010年3月に確定しています。聞き取りが適切におこなわれていれば、刑事事件で無罪判決にはならなかったでしょう。

 被害を正確に聴き取ることが、被害児童の救済への一歩です。児童救済のためにも、事実確認面接に習熟した専門家が増加することを願います。