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強制立ち入りに躊躇する現状:児童相談所

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 『毎日新聞』は『殺さないで:児童虐待防止法10年』として、児童虐待に関する特集記事を連載しています。

 同紙2010年6月3日付『殺さないで:児童虐待防止法10年/3 強制調査、着手に迷い』では、児童虐待防止法に規定された家庭への強制立ち入り調査の状況について、実際に執行された例や、児童相談所側が行使に躊躇する状況などを取材しています。
 東北地方で2008年12月に執行された事例では、児童相談所は以前から虐待状況を把握し対策をとっていたということです。2001年に虐待情報を把握した児童相談所は、当時小学生だった長女を保護しました。しかし両親は、長女の保護に反発して次女を登校させない措置をとりました。次女は外出した際に保護されたということです。
 さらに両親は、三女も登校させずに児童相談所や学校との接触も拒否しました。児童相談所は家のそばでの家族の状況を観察、弁護士と相談して法的な書類の作成、保護の際のシミュレーションなどを重ねました。
 裁判所の許可を得て、2008年12月に警察官とともに児童相談所職員が強制立ち入りをおこない、室内にいた三女を保護したといいます。
 一方で強制立ち入り調査が実施されたのは全国でも2例だけだといいます。執行そのものが重大な結果をもたらすものであることや手続きの煩雑さなどを背景に、行使にためらう例が多いとみられています。
 確かに児童相談所職員への過大な負担という面は、現状ではあるのでしょう。もちろん行政として、児童相談所職員の業務への抜本的な支援体制強化が早急に求められるのはいうまでもありません。
 しかし同時に、実際に危険にさらされている児童がいること、また児童相談所の対応の遅れが死亡や重体などの深刻な状況につながったと指摘されている事案が続発している現状を考えれば、可能な限りのことはすぐにでもおこなっていく体制を作っていくことが求められています。