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神戸市立御影中学校熱中症死亡事件、判決確定へ

 兵庫県神戸市立御影中学校柔道部で2005年8月、当時1年生だった男子生徒が熱中症で死亡した事件で、神戸市教育委員会は5月24日、元顧問講師(依願退職)の過失を認め神戸市に約1870万円の損害賠償を命じた一審神戸地裁判決(5月19日)を受け入れ控訴しないと発表しました。

 原告側も控訴しない方針を示し、一審判決が確定することになります。
 この事故は、体調不良を訴えた生徒に対して「練習をさぼるための口実」などとして練習を続けさせた上、「気合いが入っていない」などとして正座させ平手打ちまで加えていたものです。(事故概要
 顧問講師が初期段階できちんとした対応を取っていれば、最悪の事態には至らなかった可能性が高いといえます。神戸市が控訴を断念したこと自体は当然ですが、今後の再発防止策をどう具体化するかこそが問われています。
 この事故は、部活動指導者が精神主義的であり生徒の健康状態や事故対策などに配慮していないこと、暴力・しごき体質などが発生の背景にあるといえるでしょう。これは残念ながら、この事故の個別・特殊な問題ではありません。
 全国的にも似たような事故はいくつも発生しています。例えば、兵庫県川西市立中学校ラグビー部熱中症死亡事故(1999年)や大分県立竹田高校剣道部熱射病死亡事故(2009年)は、御影中学校事件と共通する部分が多くあります。
 熱中症に限らず、生徒の体調不良を放置した結果重大事態を招いた事例としては埼玉県立越谷総合技術高校柔道部事故(2002年)、東京都・専修大学付属高校バレーボール部事故(2003年)熊本県・開新高校空手部事故(2007年)などがありました。
 これらの事故にはいずれも、指導者の精神主義的指導や暴力・しごき体質、健康状態や事故対策への無配慮などが背景にありました。同じような事故が多数発生しているということは、事故が個別・偶発的なものとして扱われ、教訓が共有されていないことをも意味しているでしょう。
 無配慮な「指導」がはびこっている現状を抜本的に変え、健康状態や事故防止に徹底的に配慮する良識的な指導者を増やしていくことこそがが求められているといえます。
(参考)
◎中1生熱中症訴訟、神戸市控訴せず 地裁判決確定(神戸新聞 2010/5/24)