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大分県立竹田高校剣道部熱中症死亡事件:報告書まとまる(2)

 大分県立竹田高校の剣道部員熱中症死亡事件で、第三者の事故調査委員会が11月2日までに調査報告書をまとめたことについて、当ブログでは以前のエントリ「大分県立竹田高校剣道部熱中症死亡事件:報告書まとまる」(2009/11/4)でも取り上げました。

 「朝日新聞」の記事が調査報告書の内容についてより詳細に報じているので、改めて取り上げます。
 記事によると、事故発生時の状況について以下のようにしています。

asahi.com 大分「調査委が報告書提出/剣道部員死亡事故」(2009/11/4)
…報告書によると、○○さんら剣道部員は1週間練習がなく、8月21日に軽い練習をした。事故のあった22日は午前9時から本格的な練習をして、前半は30分の休憩を取ったが、後半1時間半の練習には休憩や水分補給がなかった。
 ○○さんは、激しい打ち込みの最中からふらつき、顧問の教諭(48)は「演技だろう」といい腰をけった。その後、壁にぶつかって倒れると教諭は「目を開けんか」とほおを10回程度たたいた。水を飲ませ、扇風機や保冷剤で脇や首を冷やしたが、回復せず、救急車を呼んだという。
 練習場の温度は公式に記録されておらず、ほかにも「フラフラだった」と体調不良を訴える生徒もいた。
※死亡した生徒の氏名は原文では実名ですが、引用にあたり匿名に変更しました。

 体調不良の兆候を示している生徒に対して「演技だろう」などとして腰を蹴り、平手打ちをするというのは、非科学的な精神主義です。
 これまでにも似たような事件は、全国的にも多数発生しています。
 兵庫県川西市立中学校ラグビー部熱中症死亡事故(1999年7月)では、この事件と同様に、熱中症で倒れた生徒に対して顧問教諭が「演技は通用しない」などと発言して放置するなどし、生徒が死亡しています。この事件では刑事でも民事でも顧問教諭の過失が認められ、刑事事件としては顧問教諭に罰金刑、民事事件としては川西市に損害賠償を命じる判決が確定しています。
 兵庫県神戸市立御影中学校柔道部熱中症死亡事故(2005年8月)では、体調不良の兆候を示した生徒に対して顧問講師が「さぼっている」「気合いが入っていない」などとして「体罰」を加え、その直後に生徒が倒れて死亡しました。当初は暴行が原因の死亡事件(狭義での「体罰死」)も疑われましたが、生徒の死因は熱中症と鑑定され、熱中症の手当てが遅れたことが死につながったとみられています。
 このような事件が過去にも発生していながら、何の教訓も生かされずに再び似たような事件が発生している――何とも言えない悲しさを感じます。
 今回の竹田高校の事件では、顧問教諭の過失も問われるべきだと考えられます。