※当ブログは新サイト に移転いたしました。

新規の編集は、新サイトの方で実施しています。

<栄養失調児>校長見かねて、こっそり牛乳飲ます(『毎日新聞』)

スポンサーリンク

 「毎日新聞」(web版)5月22日配信記事に、「<栄養失調児>校長見かねて、こっそり牛乳飲ます」という何ともショッキングな見出しの記事が掲載されています。

 記事によると、「東京都内の公立小学校に、体がやせ細っていて授業中に姿勢を保てないなどの状態を示す児童が入学してきた。児童に話を聞くと、コンビニ経営の両親からおにぎりや菓子パンを食事として与えられている。好き嫌いも激しい。両親は『食事を作っても食べない』と嘆くばかりで、好き嫌いを克服させる努力をしていなかった。栄養失調も疑われるために、見かねた校長がその児童を特別に校長室に毎日呼び出し、牛乳を飲ませている」という状況があるということです。

 記事を読む限り、この児童は食事の質や量が極端に偏っていて栄養バランスを崩していると推測されます。栄養バランスと心身の活動との間には深い相関関係があるというのは、ほぼ定説となっています。

 この児童の置かれている状況は一種の虐待に近い状況ともいえるような重大な状況であり、改善の努力が早期に求められます。

 このケースの場合、家庭の教育力が低下していて、子どもの心身の成長にまで両親の気が回っていないといえるでしょうが、同時に両親には子育てについて相談できる場などはなかったのかという思いもあります。

 記事に登場する校長の奮闘は当然評価されるでしょうが、その一方で個人の善意だけに基づく奮闘には限界があります。各方面を巻き込んだ総合的な対策が求められます。

<栄養失調児>校長見かねて、こっそり牛乳飲ます〔『毎日新聞』2006/5/22〕

 家で与えられる食事はコンビニエンスストアの期限切れのおにぎり、菓子パン――。栄養失調が疑われる児童に、校長がこっそり牛乳を飲ませている小学校がある。校長は「家庭のしつけまで学校が引き受けるのはどうかと思うが、(劣悪な食事の)限度を超えている」と嘆く。食育基本法が昨年夏施行され、国は朝食を取らない小学生をなくそうと呼びかけるが、法の理念とかけ離れた現実に学校現場から悲鳴が上がっている。

 この学校は東京都内の公立小。校長によると、04年春の新入生に体がやせ細り、元気のない男児がいた。授業中きちんとした姿勢を保てず、ぼんやりしていることも少なくなかった。

 昨年4月、男子児童に話を聞くと、コンビニを営む両親から販売用のおにぎりや菓子パンを毎日のように与えられているという。校長は栄養を補うために、給食の牛乳を冷蔵庫に保管、他の児童に知られないよう校長室で毎日飲ませた。

 その後も児童の食生活に改善は見られず、賞味期限切れの食品を与えられていることも分かった。児童も好き嫌いがあり、校長がスープを与えても飲まなかった。栄養失調も疑われたため、見かねた校長は今年3月、保護者を学校に呼び出し、「今は成長期で、脳がつくられる大事な時期。きちんとした食生活をさせないと困る」と諭した。

 母親は「(食事を)作っても食べない」と戸惑った。「食べるように(食材を)小さく切るなど工夫していますか」とたたみ掛けると、両親は互いに責任をなすり合い、けんかを始めたという。

 同校には数年前、「一日の食事はおにぎり1個」という児童がいたが、栄養状態が切迫したため施設に保護してもらったという。校長は「家庭の機能低下は現場で実感している。状況は悪化の一途だ」と憂える。今も男児と別の児童計2人に牛乳を飲ませている。

 政府は食育基本法に基づき今年3月、食育推進基本計画をスタートさせた。そこでは「朝食を欠く国民の割合の減少」を目標に掲げ、10年度までに朝食を取らない小学生をゼロにするとの数値目標を盛り込んだ。

 都教委の昨年の調査で「朝食を必ず取る」と答えた小学生は79.7%、中学生は70.2%。逆に「食べない」「食べないことが多い」という小学生は5.1%、中学生は11%だった。【高山純二】