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自尊感情育成する教育をモデル実施:東京都

 「産経新聞」によると、東京都教育委員会が都内の児童・生徒に自尊感情や自己肯定感に関する調査をおこなったところ、中高生の大半が自分を肯定的にとらえていないことがわかりました。東京都では調査結果を受けて、2009年度より一部の小学校で「自尊教育」を試験的に導入することにします。

 自尊感情をはぐくむための教育を東京都教育委員会がおこなっていくこと自体は、記事だけを読めば特に否定する理由はありません。しかし、今までの東京都教育委員会の教育施策が、子どもの自尊感情を奪う一因になっていることについても指摘しなければなりません。
 例えば入学式・卒業式では、児童・生徒の意向や学校を無視し、特定の型での運営を一方的に押しつけて「日の丸・君が代」を強要する問題が、東京都では他地域と比較して際だっています。学習指導要領では、入学式・卒業式を含む特別活動については、児童・生徒の自主性を尊重して運営することが明記されています。しかし東京都は強力に特定の型での運営を強要し、従わないものには処分を含む強硬な措置をとり続けています。「卒業式に来賓として出席した右翼都議が、『君が代』の際に卒業生に対して『立て』などと大声で恫喝する不規則発言をおこなった」ケースも報告されています。
 「日の丸・君が代」強要のほか、「体罰」(教師の対生徒暴力)肯定、各地で制定が検討されている「子どもの権利条例」反対、性教育敵視などの論は、表面的にはそれぞれ別個の主張ですが、同一人物・集団がそう主張していることも珍しくありません。背景には子どもの権利軽視という共通思想があります。石原慎太郎東京都知事はそういう主張の持ち主であり、東京都の教育行政もそういう子どもの権利軽視思想の元で強力に運営されていることも指摘しておかなければなりません。
 自尊教育をおこなっていくことは結構なことですが、同時に子どもの自尊感情を否定するような教育施策をおこなっている東京都教育委員会のあり方も改善していかなければ、結局「自尊感情の育成」を掲げて「自尊感情をつぶしていく」ことにもつながりかねません。
(参考)
◎都教委、小学生に“自尊教育” 中高生の半数「自分に否定的」(産経新聞 2009/3/11)