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「教科書変えた」:麻生首相の講演

 麻生太郎首相は2月22日、青森県青森市で開催された自民党青森県連の会合で講演し、「いい加減な教科書を変えた」などと発言したということです。

 地元紙『東奥日報』が、講演をテープ起こしてテキスト化しています。

 講演では以下のように述べられています(テキストは東奥日報の記事による)。

 (民主党は:当サイト注)教育基本法の話でも、また、今のソマリアの話(前段でソマリア問題に対する民主党の対応を批判している:当サイト注)1つにしてもちゃんとまとまって答えてくれない。そいういった所は、われわれにとってあのいい加減な教科書をわれわれは教育基本法を変えてあのいいかげんな教科書を変えました。覚えていない人もいるかもしれませんが、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒の写真、こちらは犬と子供と一緒の写真で、両方家族ですと。うまいように書いてあるように見えるでしょう。犬と子供もおじいちゃんとおばあちゃんも一緒の扱い。おばあちゃんは犬と同じか、こんなふざけた話がどこにあるのか、と言って当時やりあったことがあります。相手はご存じ日教組です。私はそういうところとは断固戦っていく。そういった教育というのは根幹でしょうが。日本という国の。こういったものをきちんとやりきれる政党、それが自民党なんだと私はそう思っています。

 麻生首相が「変えさせた」と指摘しているのは、2005年の高校家庭科教科書検定のことだと思われます。

 この教科書検定では、家族像の多様性についての記述が差し替えさせられる事例が相次ぎました。ペットを家族の一員とみなす記述についてもやり玉に挙がりました。これらの記述は前回の検定(2001年)では特に検定意見も付かず、2005年になってこのような意見が付けられたということです。また自民党議員もこれらの記述をやり玉に挙げてきました。

 また麻生首相の今回の発言では言及はありませんが、教科書を変えさせたのは家庭科だけではありません。近年では、右派の政治的主張に基づいて沖縄戦の「集団自決」に関する記述を後退させた、2007年の高校日本史「集団自決」検定問題も忘れてはいけません。

 これでは「いい加減な教科書を変えた」のではなく、「教科書をいい加減な内容に変えた」といえます。

 また最新の社会情勢や学問的到達点を反映するなどした記述を、あたかも「日教組」=特定の集団かのように扱うこと自体、大きな誤りだといえます。麻生首相はじめ右派の主張は、実際は「良心的な国民世論や学問の到達点と断固戦い、特定のイデオロギーを一方的に押しつけていく」と宣言しているに等しいといえます。こういう方向で政府の教育行政を進めようとすることは非常に危険なことであり、今後の動きには警戒が必要でしょう。