森友問題:籠池理事長がYouTube動画で見解述べる

 森友学園の籠池泰典理事長が3月9日までにyoutubeで動画を公開し、一連の騒動について自らの見解を述べている。

 演説動画は30分弱、自らの正当性について述べている。

YouTubeで演説する籠池泰典理事長(2017年3月9日公開)

YouTubeで演説する籠池泰典理事長(2017年3月9日公開)

  • 国有地については、正当な手続きで買い取った。
  • 国有地問題と認可問題は分けて考えるべき。
  • 瑞穂の國記念小學院は大阪府私学審議会が審議した上で認可答申を受けた。いまさら不認可にされるなどおかしい。開校を目指す。
  • マスコミ報道で私や家族が追い回されたり、あることないこといわれて迷惑している。人権侵害ではないか。
  • 私とは「10年来会っていない」と国会で答弁したある政治家(稲田朋美防衛相のことか?)は、私は2年ほど前にその方とお会いした。
  • 塚本幼稚園での虐待はない。学園の方針に合わなかった保護者、自分の家で虐待をしているであろう保護者が騒いでいるだけ。
  • (中国や韓国へのヘイトとみられる内容も述べる)

 その上で「私は今攻められている。日本民族のための学校が必要」として、「大阪府庁へ!大阪府庁へ!大阪府庁へ!」と、大阪府に認可を求めるよう視聴者に訴えている。

 内容はむちゃくちゃすぎて、どこから突っ込んでいいのやらと思うような動画ではある。

 国有地問題や大阪府の認可問題については、国や大阪府の手続きの不透明さの問題が浮かび上がっているので、解明すべきなのはいうまでもないだろう。いわば、大阪府や国がおかしなことをしたから、学園サイドから逆襲される余地を作ったということにもなる。

 また、国や大阪府の政治家の後押しを受けて学校を準備してきたのに、トカゲの尻尾扱いで裏切られたと暗にほのめかし、関係した政治家に圧力をかけているような内容とも受け取れる。

 一方で塚本幼稚園での虐待への言い訳は、いかにも虐待や「体罰」加害者がおこなうような定番の論理展開だという印象を受けた。自分たちは正しいことをしているから虐待ではない、指導に「ついてこれない」者が勝手に騒いでいるだけ、よって事実無根。騒ぐことは自分たちへの人権侵害であり教育活動への妨害――こういう論理展開はよくある。

 同じアカウントから同時に公開された動画では、塚本幼稚園の園児数十人が園の廊下とみられるところに並び、「五箇条の御誓文」「教育勅語」や、「春暁」「大学・経一章」などの漢文を暗誦する様子が約9分にわたって収められている。

五箇条の御誓文・教育勅語などを暗誦する塚本幼稚園の園児(2017年3月9日公開動画より。当方でモザイク処理)

五箇条の御誓文・教育勅語などを暗誦する塚本幼稚園の園児(2017年3月9日公開動画より。当方でモザイク処理)

 この動画で「虐待などではない」とアピールしたかったのかもしれない。しかし、教育勅語を暗誦させる事自体が異様な行為であり、明治から昭和戦前期まで教育の根本原理とされてきた教育勅語を否定した上で新たに教育基本法を教育の根幹に据えた、現代日本の学校教育とは相反するものである。また、中国を蔑視しているのに中国古典である漢文を暗誦させていることに矛盾は感じないのかとも突っ込みたくなるが、それは置いても、幼稚園児の子どもの発達段階からいっても漢文を教材に取り入れるのは異様に感じる。

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