稲田防衛相:教育勅語を「道義国家を目指す」「全く誤りというのは違う」

 稲田朋美防衛相は3月8日の参議院予算委員会で教育勅語への認識について問われ、「勅語の精神は親孝行、友達を大切にする、夫婦仲良くする、高い倫理観で世界中から尊敬される道義国家を目指すことだ」「勅語自体が全く誤っているというのは違う」などと答弁した。

 森友学園の問題に関連して、同学園が経営する塚本幼稚園(大阪市淀川区)で園児に教育勅語を暗唱させていることが問題になっている。そのことに関連して福島瑞穂参議院議員(社民党)が質疑をおこない、その答弁として発言した。

 教育勅語で示されている徳目については、そこだけを一面的に取り上げて肯定する勢力もみられる。しかしそれらの徳目についてはすべて「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」にかかる。すなわち「非常時には天皇のために命をかけよ・永遠の皇国を支える」目的に備えるための道徳という意味である。また道徳は個人の内面に自発的に形成されるものである。特定の道徳や大日本帝国下の国家体制を永久不変扱いで掲げて、一方的に押しつけること自体がふさわしくない。

 戦前の国家体制により、教育勅語が軍国主義の動きの推進力の一つとなって戦争につながったという反省から、戦後には教育勅語は明確に否定され排除されている。

 1946年10月8日に文部省から「勅語及び詔書等の取扱いについて」とする通達が出され、学校教育で教育勅語を唯一の淵源と見なすことをやめ、儀式での勅語朗読なども中止された。1947年には教育基本法が施行された。教育基本法は、教育勅語体制の排除を具現化し、新たな時代の学校教育の根幹を示す基本法としての性格を持っている。さらに国会では1948年6月18日、衆議院で「教育勅語等排除に関する決議」、参議院で「教育勅語等の失効確認に関する決議」がそれぞれ可決され、教育勅語の排除および失効が確認されている。

 これらの歴史を考えると、教育勅語を肯定する人物が内閣の一員であることや国会議員であることは、問題になってくるのではないか。

(参考)
◎稲田防衛相:「教育勅語自体が全く誤りというのは違う」(毎日新聞 2017/3/8)

スポンサードリンク

フォローする

スポンサードリンク